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09月16日-05号

  • 債権放棄 議会報告(/)
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  1. 神奈川県議会 2022-09-16
    09月16日-05号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 4年 第三回 定例会 △《本会議録-令和4年第3回-20220916-029292-諸事項-出席議員等・議事日程-》 令和4年第3回神奈川県議会定例会会議録第5号〇令和4年9月16日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共101名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       内   田   み ほ こ                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       さ と う   知   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       作   山   ゆうすけ                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       浦   道   健   一                       加   藤   元   弥                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       松   本       清                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       栄   居       学                       あ ら い   絹   世       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         政策局長          平   田   良   徳         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     佐   川   範   久         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        三   枝   茂   樹         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長        河   鍋       章         県土整備局長        大   島   伸   生         会計管理者兼会計局長    落   合   嘉   朗         教育委員会教育長      花   田   忠   雄         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         林           学         同  総務部長       重   江   光   一   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          浦   邊       哲         議会局副局長兼総務課長   高   瀨   正   明         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和4年第3回神奈川県議会定例会議事日程第5号                          令和4年9月16日午前10時30分開議第1 定県第 71 号議案 令和4年度神奈川県一般会計補正予算(第2号)   定県第 72 号議案 同  年度神奈川県水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 73 号議案 神奈川県公報による公告の見直しに伴う関係条例の整理に関する条例   定県第 74 号議案 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例   定県第 75 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 76 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 77 号議案 神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例の一部を改正する条例   定県第 78 号議案 神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 79 号議案 工事請負契約の締結について(一級河川矢上川地下調節池トンネル本体Ⅰ期工事請負契約)   定県第 80 号議案 特定事業契約の締結について(県営上溝団地特定事業契約)   定県第 81 号議案 特定事業契約の締結について(県営追浜第一団地特定事業契約)   定県第 82 号議案 指定管理者の指定について(伊勢原射撃場)   定県第 83 号議案 指定管理者の指定について(湘南港)   定県第 84 号議案 指定管理者の指定について(葉山港)   定県第 85 号議案 和解について   県報第2号 専決処分について承認を求めること(動産の取得について)   県報第3号 専決処分について承認を求めること(損害賠償請求訴訟の判決に対する控訴について)第2 認第1号 令和3年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和4年第3回-20220916-029293-質問・答弁-綱嶋洋一議員-一般質問①厚木基地に係る住宅防音工事区域の見直しについて②児童相談所の更なる体制強化について③コロナ禍での乳幼児期の子育て支援について④高齢者の居場所づくりに向けた取組について⑤「かながわPay」利用実績の分析とその活用について⑥中小企業の価格転嫁に向けた支援について⑦本県のクリハラリス対策について⑧都市計画道路寺尾上土棚線の整備等について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共96名 ○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 審議を行います。  日程第1、定県第71号議案 令和4年度神奈川県一般会計補正予算外16件及び日程第2、認第1号 令和3年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定について、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  綱嶋洋一君。  〔綱嶋洋一議員登壇〕(拍手) ◆綱嶋洋一議員 綾瀬市選出の綱嶋洋一です。  私は、自由民主党神奈川議会議員団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問をさせていただきます。  知事並びに環境農政局長、福祉子どもみらい局長、産業労働局長県土整備局長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願い申し上げます。また、先輩議員並びに同僚議員におかれましては、いましばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、早速質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、厚木基地に係る住宅防音工事区域の見直しについてです。  本年4月、国から県等に対し、厚木基地周辺住宅防音工事区域の見直しのための騒音度調査実施についての情報提供があり、その後の情報では、8月末から調査が始まったとのことであります。  〔資料提示〕  国は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づく騒音対策の一環として、住宅防音工事への助成等を行っており、その対象となる区域を定めているのが住宅防音工事区域であります。  厚木基地周辺の区域について、平成18年以来となる見直しに向け、調査が実施されることとなります。  厚木基地においては、昭和48年に、横須賀基地に空母ミッドウェーが配備されて以降、空母艦載機による騒音が深刻な問題となってきました。特に、昭和57年から、NLP─夜間連続離着陸訓練と呼ばれる訓練が厚木基地で開始され、厚木基地周辺住民は甚大な騒音被害に苦しんできました。  その後、県をはじめ自治体の長年にわたる働きかけもあり、在日米軍再編協議により、空母艦載機の移駐が決定され、ようやく平成30年、空母艦載機部隊の移駐が完了したところです。  移駐から4年が経過し、その間の騒音状況の変化も踏まえ、国として、住宅防音工事区域の見直しに着手するものと受け止めています。  見直しは、法律などの制度にのっとって行われるものと理解はしていますが、基地周辺住民が長年にわたり甚大な騒音被害に苦しめられてきたことを考えますと、正直なところ、割り切れない思いもあります。  空母艦載機の移駐により、確かに激しい騒音は減少したものの、騒音が完全になくなったわけではありません。基地では、ヘリコプター部隊の運用が行われており、オスプレイやジェット戦闘機など外来機が飛来した際には、相当の騒音が発生しています。  私の地元でも、本当に今の騒音状況が調査に適切に反映されるのか、心配する声が上がっています。  また、住宅防音工事をめぐっては、工事を希望しても、国の予算や手続の都合から、速やかに助成を受けられない、いわゆる待機世帯の問題もあります。待機世帯を残したまま、住宅防音工事区域が見直されるようなことがあれば、地元で不公平感が募り、基地の存在、ひいては日米安全保障体制に悪い影響を及ぼすのではないかと心配をしています。  県として、国が行う騒音度調査や区域見直しの動向を的確に把握し、国への必要な働きかけを行い、地元の意向に沿った対応がなされるよう取り組んでいただきたいと思います。  そこで、知事に伺います。  厚木基地周辺の騒音度調査や、その後想定される住宅防音工事区域の見直しについて、現時点でどのように課題を認識しているのか、また、国への働きかけなど、どのように取り組んでいくのか見解を伺います。  〔資料提示〕  第2の質問は、児童相談所の更なる体制強化についてです。  児童相談所における児童虐待相談件数は年々増加し、令和2年度には、全国で約20万件となっています。  本県においても、令和3年度の児童相談所における児童虐待相談件数は過去最多の6,742件となり、増加傾向に歯止めがかからない状況であることに加え、今年に入ってからは、児童相談所が関わっていたお子さんが、保護者からの虐待で亡くなるという大変痛ましい事件が起きています。  これまで県では、急増する虐待相談に対応するため、児童相談所の職員を増員するなど、体制強化をしてきたことは承知しています。  〔資料提示〕  とりわけ、令和3年4月には中央児童相談所厚木児童相談所の所管区域を再編し、中央児童相談所の中に、緊急避難的に大和綾瀬地域児童相談所を設置し、虐待事案に迅速かつ的確に対応できる体制整備を行ってきたと承知しています。  この再編では、中央児童相談所厚木児童相談所の所管区域が縮小され、大和綾瀬地域児童相談所の所管区域は、大和市と綾瀬市の2市となりました。これにより、市町村との顔が見える関係が進み、連携しやすくなったことで、きめ細かい虐待対応が可能になったと考えています。  しかしながら、大和市と綾瀬市を所管している大和綾瀬地域児童相談所は、現在、藤沢市内の中央児童相談所と同一建物内に設置されており、職員が家庭訪問や保育所、学校などへの関係機関を訪問する際などに時間を要している状況にあります。  また、この所管区域では、虐待相談件数も令和3年度は922件と非常に多いため、職員の負荷も大きいのではないかと懸念しています。  本来、児童相談所は、所管区域内に設置するべきであり、命の危険が及ぶ事案はもとより、いずれの虐待対応にもスピード感を持って対応していくことが重要であると考えています。  この9月補正予算で、所管区域内への移転を図るため、必要な経費を計上していると承知しているところであります。  そこで、知事に伺います。  児童相談所のさらなる体制強化として、大和綾瀬地域児童相談所の所管区域内への一刻も早い移転が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、コロナ禍での乳幼児期の子育て支援についてです。  新型コロナウイルスの流行も3年目を迎え、子供自身や子育て家庭の環境に様々な問題が生じていることに危機感を抱いております。  特に、妊娠・出産では、感染リスクに注意をしながら、大きな不安を抱えていることと思います。また、出産後の育児においても、ストレスの高い状態で母子が孤立している状況であるなど、報道等でも度々話題になっています。  そのような中で、本来であれば、地域全体で子育て支援をするために、育児サークルへの参加や、子育て家庭等に対する交流の場の提供、育児不安についての相談・助言、子育てに関する講座が実施されるところですが、中止や感染症対策を講じながら、規模縮小を余儀なくされてまいりました。  とりわけ、乳幼児期は、親子の関係性や、親以外のほかの人とうまく関わる力、目標に向かって頑張る力、感情をコントロールする力と言われている非認知能力を身につけることは重要であると言われています。  しかし、この3年間、マスク姿の大人を見て成長している子供たちは、どのように感じているのでしょうか。  従来からの子育て支援に加え、コロナ禍での子育ての不安、孤独など、新たな課題に対応する取組が今、必要とされていると考えています。  〔資料提示〕  例えば、私の地元の綾瀬市では、非認知能力の向上のために、親子で学ぶための講座を実施するなど、コロナ禍にあって、新たに顕在化した課題の解決に取り組んでおります。  子育て支援は、市町村が主体となって、地域の実情に合わせて実施されていますので、このコロナ禍での特に乳幼児期の子育てへの影響についても、市町村が一番に肌で感じながら対応していますが、県は、このような市町村の取組を後押しする役割を担っているものと考えています。  県では、かながわ子どもみらいプランを策定し、子ども・子育て支援施策を計画的に推進していると考えていますが、今改めて、長引くコロナ禍が子供や子育て家庭に与えている影響や、特に乳幼児期の子育て世帯への不安や孤立の状況について、市町村から丁寧に聞き取り、子育て世帯を支援する市町村を、県が支えていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  次世代育成の観点から、本県が推進してきた乳幼児期の子育て支援について、コロナ禍での対応も含め、真に必要な支援にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、高齢者の居場所づくりに向けた取組についてです。  高齢になると、年齢が重なるだけで、活動量は自然に減少すると考えられています。しかし、新型コロナウイルス感染症が流行してから2年以上にわたって外出を自粛したり、スポーツ、趣味の活動などへの参加を控えることなどにより、コロナ禍前よりも活動量が減って、身体機能が低下している可能性があると言われています。  民間機関が2021年度に実施した調査によると、運動時間が減少したと回答した65歳以上の人は、運動時間が増加・維持していると回答した人よりも、運動不足による健康状態や身体機能の低下に不安を感じている人の割合が高く、同時に、感染による健康状態の悪化も不安に感じており、さらに、趣味や娯楽、オンラインを含むスポーツの時間も減少しているとされています。  この調査結果から、コロナ禍において、高齢者は、運動しないことによる健康状態や身体機能へのリスクを認識しつつも、感染への不安から活動が減少している状況にあると考えられます。  こうした状況が続くと、心身の活力が低下するフレイル化やフレイル状態の悪化が危惧されるため、高齢者の健康増進に資する取組が大変重要になってきますが、高齢者自らが自宅などで取り組むには限界があります。  こうした課題意識から、私は、昨年9月の一般質問で、高齢者が趣味や運動などを通じて交流する居場所づくりに関しての質問をし、老人クラブにおける高齢者向けのICT研修や、高齢者の通いの場の市町村支援などについて答弁を頂きました。長期化するコロナ禍においては、さらなる取組が必要であると考えます。  〔資料提示〕  また、現在、県内の各市町村では、感染防止対策を取りながら、あるいはICTを活用しながら、高齢者の交流機会の確保や健康づくり事業などへの取組を進めているようですが、コロナ禍における事業展開に対しては、県による専門的な支援やアドバイスが欲しいといった声も聞いています。  そこで、福祉子どもみらい局長に伺います。  今なお、新型コロナウイルス感染症の収束には至っていない状況にある中、高齢者が積極的に活動できるよう、高齢者の居場所づくりについて、市町村への支援を含め、どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、「かながわPay」利用実績の分析とその活用についてです。  県では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、売上げが減少している県内産業を支援し、消費喚起を図っていくため、消費者がQRコード決済サービスを用いて、県内の小売店、飲食店などで支払いを行った際、決済額の最大20%を還元する「かながわPay事業」を実施していると承知しています。  この事業に参加する店舗は、感染防止対策取組書を掲示することが条件となっており、 非接触のキャッシュレス決済の推進とともに、感染防止対策にもつながる取組であると評価しています。  かながわPay第1弾は、ポイント還元総額を70億円として、昨年10月から今年5月まで実施され、その間、616億円もの消費を喚起することで、県民、事業者双方から、非常に好評のうちに終了したとのことです。  〔資料提示〕  そして、その第1弾の実績を踏まえ、この7月から、かながわPay第2弾として、当初予算、補正予算と合わせて、ポイント還元総額を100億円に拡大して実施されていると承知しています。  この第2弾は、コロナ禍やウクライナ情勢等に起因した原油高・物価高騰に対し、消費者の負担軽減を図ることに加え、加盟店を増やす取組にも力を入れてきたと承知しています。  県は、第1弾を実施して様々な消費データを得ているはずであり、加えて、利用者等へのアンケートも実施していると聞いています。これらは貴重なデータであり、第1弾の取組検証や、第2弾の効果的な実施のために利活用されるものと考えています。  そこで、知事に伺います。  これまでの「かながわPay」の取組により蓄積したデータを基に、かながわPay第1弾の実施状況をどのように分析したのか、また、第2弾実施に当たり、その分析結果をどのように活用したのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、中小企業の価格転嫁に向けた支援についてです。  民間の調査会社が今年8月に発表した資料によると、原油や原材料などの仕入価格の上昇や、取引先からの値下げの圧力などで、価格転嫁ができなかったことなどを理由とする、いわゆる物価高倒産が今年に入って急増しています。  小麦や油脂のほか、原油高による物流費や包装資材、電気料金などの価格高騰が企業収益を圧迫し続けており、中小企業を取り巻く環境は、さらに厳しさを増しています。  中小企業がこうした物価高騰等に対処していくには、価格転嫁を行う必要があります。  〔資料提示〕  しかしながら、中小企業庁が今年6月にまとめた価格交渉促進月間のフォローアップ調査によると、直近6か月間のコスト上昇分を全く価格転嫁できなかった中小企業は22.6%、3割以下しか価格転嫁できない中小企業は約22.9%に上っており、価格転嫁の難しさを物語っています。  これらの調査は全国レベルでのものでありますが、こうした状況は、本県においても同様ではないかと考えています。  立場の弱い下請企業は、取引がなくなることを恐れて、発注者側に価格交渉をしにくいため、根本的な収益改善を図ることが難しい実情です。そうした下請企業の価格交渉をサポートしていくことが重要ではないかと考えています。  そこで、産業労働局長に伺います。  中小企業が適切に価格転嫁できるよう、よりきめ細やかな支援を行っていく必要があると考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、本県のクリハラリス対策についてです。  県内には、タイワンリスと呼ばれてきた台湾に由来するとされるクリハラリスが生息しており、日本に生息するニホンリスより、やや大型で繁殖力が旺盛であるため、ニホンリスが生息する森林に侵入した場合、その生息に影響が出るのではないかと言われています。  県内のクリハラリスは、もともと江の島や鎌倉市内で飼育されていたものが逃げ出して、繁殖してしまったと言われています。しばらくは、鎌倉市の山林を中心に生息していましたが、その後、徐々に周辺の山林や緑地を伝って、隣接する地域へと生息域を広げていったと考えられています。今後、さらに広い範囲に生息域を拡大することも懸念されています。  本来、クリハラリスは広く東アジアで生息しており、分布域も広く、様々な気候や植生にも対応できると言われております。日本国内でも、本県に隣接する東京都や静岡県をはじめ、現在、関東から九州にかけて各地で生息が確認されています。このため、クリハラリスは外来生物法に基づく、生態系や農作物の被害を及ぼすおそれのある特定外来生物として、2005年に特定外来生物に指定されています。  クリハラリスが生息し、増加した県内市町村では、被害防除計画を策定するなどして、地域での防除対策を進めているところであると承知をしています。  県では、こうした市町村での取組に対し、かながわ鳥獣被害対策支援センターを中心に、捕獲等について技術的な支援を実施してきたほか、新しい捕獲手法の試行を行うなどの対策を講じていると聞いており、こうした支援には一定の評価をしています。  一方で、私の地元、綾瀬市では、まだ、クリハラリスの生息が確認されていませんが、生息が確認されている隣接地域から綾瀬市内に侵入してくる可能性があるのではないか、その場合、農作物被害や生活被害が発生するのではないかとの危惧の声が、私の元にも届いております。  今後、生息分布が拡大する可能性がある地域において、クリハラリスの定着を防止していくためには、県が広域的な視点から取組を強化することが必要であると考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  特定外来生物であるクリハラリスの県内における分布の拡大に対して、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、都市計画道路寺尾上土棚線の整備等についてです。  私の地元、綾瀬市では、高度成長期に工業団地が造成され、自動車関連産業を主力とした中小企業が集積しました。現在でも、製造業を営む事業所が数多く立地しており、その数は300を超え、県内順位は政令市に続く第4位となっています。  これら事業所は、小さくても、繊細で精度の高いものづくりができ、また、新しい製品を生み出すことができる高度な技術力を有しております。綾瀬市は、まさに本県の産業を支えている地域であると思います。  このような製造業をはじめとする地域経済の活性化を図るためには、社会基盤の整備が必要不可欠であり、中でも、自動車専用道路の整備は、地域から広域的な移動を円滑にし、物流の効率化などを図る大変重要な役割を担っていると考えます。  〔資料提示〕  こうした中、昨年3月、東名高速道路に、地域の悲願であった綾瀬スマートインターチェンジが開通し、綾瀬市に新たな玄関口が誕生しました。  開通後、市民や地元企業からは、東名高速道路が身近に利用できるようになった、取引先への時間が大幅に短縮されたといった喜びの声が、私のところにも数多く寄せられています。  一方、テレビやラジオの交通情報では、東名高速道路における綾瀬スマートインターチェンジを先頭とした渋滞が度々報道されるようになっており、綾瀬スマートインターチェンジに連絡する周辺道路でも、交通状況に変化があったのではないかと考えています。  〔資料提示〕  さらに、綾瀬スマートインターチェンジに直接連絡する県道藤沢座間厚木は、藤沢市から綾瀬スマートインターチェンジを越え、県道横浜厚木までが4車線で整備されていますが、県道横浜厚木より北側の座間市に向かう区間は、寺尾上土棚線として都市計画決定がなされているものの、未整備となっています。  この区間が整備されれば、綾瀬スマートインターチェンジ周辺道路の交通の円滑化が図られるとともに、藤沢、綾瀬、海老名、座間をつなぐ道路が整備され、綾瀬スマートインターチェンジの整備効果が広く波及していくものと考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  綾瀬スマートインターチェンジ開通後の周辺道路の交通の変化を踏まえて、今後、都市計画道路寺尾上土棚線の県道横浜厚木以北の整備について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 綱嶋議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、厚木基地に係る住宅防音工事区域の見直しについてお尋ねがありました。  国は、厚木基地周辺の騒音問題に対する負担軽減策の一環として、基地周辺住民の方々が行う住宅防音工事への補助を行っています。住宅防音工事区域は、補助対象となる地域を、騒音の大きさや飛行経路等を調べる騒音度調査に基づき、国が指定するもので、昭和54年の指定以降、騒音状況の変化に応じて4回、見直されてきました。  今回は、令和4年度から5年度にかけて行われる騒音度調査に基づき、区域の見直しが進められる予定ですが、空母艦載機部隊の移駐等に伴う騒音状況の変化を背景とした今回の見直しについては、幾つかの課題があると考えています。  まず、騒音の現状に関する課題です。  空母艦載機部隊移駐前の厚木基地では、例年、空母出港前に騒音が集中するなど、騒音状況に大きな特徴がありました。一方で、現在は、他の基地からの飛来機を含め、年間を通じて多様な騒音が発生しており、調査を通じて的確に現状を把握するとともに、調査の方法や結果について、住民の皆様の理解を得ることが必要です。  また、国が行う補助の現状にも課題があります。  工事を希望しながらも、二、三年待たされる場合があるという、いわゆる待機世帯の問題や、同時期に建てられた住宅であっても、区域の指定時期の違いにより、補助が受けられない場合があり、不公平感が生じているといった制度的な課題もあります。  このため、県としては、国に対し、住宅防音工事区域の見直しに向けた調査に当たっては、騒音状況を的確に把握することや、住宅防音工事の補助に対する地元要望を尊重することなどを求めています。  今後は、調査の方法や結果について、地元の理解を得るとともに、区域見直しまでの間も必要な予算を確保して待機世帯を解消することや、制度的な課題の解決を図ることを国に求めていきます。  引き続き、厚木基地周辺住宅防音工事区域の見直しについて、地元に寄り添ったきめ細かい対応がなされるよう、全力で取り組んでまいります。  次に、児童相談所の更なる体制強化についてお尋ねがありました。  近年、児童虐待相談件数が急増し、複雑困難化する中、児童相談所のさらなる体制強化が必要です。  県では、急増する虐待相談に迅速かつ的確な対応ができる組織体制を確保するため、令和3年度に中央児童相談所厚木児童相談所の所管区域を再編し、藤沢市内にある中央児童相談所と同じ建物の中に、大和綾瀬地域児童相談所を緊急避難的に設置しました。  この再編で、各児童相談所の職員数や相談件数は平準化が図られ、きめ細かく対応できるなど、効果を上げています。  しかしながら、児童相談所は、原則として所管区域内に設置するところであり、命の危険性が高い虐待事案への対応や、警察など関係機関との綿密な連携が重要なことから、機動性向上のため、早期に所管区域内に移転させる必要があると考えています。  そこで、県では、移転先について、所管の大和市や綾瀬市にも協力を呼びかけ、両市長と真剣に議論を重ねながら、所管区域内に適地を探してきました。こうした中、綾瀬市から、市役所付近にある市保健医療センターとして使っていた土地・建物の活用について、提案を頂きました。  検討の結果、児童相談所機能を備えた施設として整備できることや、早期移転が可能であること、さらにはコスト面のメリットなど様々な観点から、適地と判断しました。  今定例会に提案した9月補正予算案にも、移転工事に必要な実施設計費を計上させていただいているところであり、令和7年度を目途に移転する方向で、関係各所との調整を早急に進めていきたいと考えています。  今後も、急増する虐待事案に的確に対応できるよう、児童相談所の体制強化にしっかりと取り組み、子供一人一人の命を守ってまいります。  次に、コロナ禍での乳幼児期の子育て支援についてお尋ねがありました。  乳幼児期は、子供にとって、運動機能が著しく発達すると同時に、保護者などとの親密なやり取りを通じて、情緒的な絆が形成される大切な時期であり、乳幼児のいる家庭への支援は大変重要です。  このため、乳幼児期をはじめとした子育て支援の実施主体である市町村を、県は、しっかり下支えしていきたいと考えています。  県はこれまで、市町村が行う生後4か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」や、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安、悩みを相談できる場を提供する地域子育て支援拠点の運営経費の一部を補助し、支援してきました。  しかしながら、長引くコロナ禍で、外出や交流の機会が減少し、保護者が不安や孤立感を募らせる懸念が高まっており、市町村においても、思うように交流の場を提供できないなど、対応に苦慮しています。  こうした中、一部の市町村では、育児相談にメールやオンラインで対応したり、保護者が困った際に、いつでも視聴できるよう、子供のケアに関する動画を配信するなどの取組を始めています。  また、親子教室などにオンラインと従来の集合型のハイブリッド形式を導入し、マスクを外した大人の表情から、子供が多くの情報を得られるオンラインのメリットと、保護者同士が交流しやすい集合型のメリットの両方を生かした工夫を図っている市町村もあります。  県では、こうした市町村の工夫や、コロナ禍における子育てへの影響を市町村との会議の場などで共有し、より一層の支援につなげていきます。  また、子育てに悩みや不安を抱える保護者を支援するペアレント・トレーニングの提供など、新たな国の補助事業も始まりましたので、こうした情報なども市町村に周知を図っていきます。  今後も、市町村と共に安心して子育てができる環境づくりに取り組み、全ての子供たちが健やかに成長できる社会の実現に努めてまいります。  最後に、「かながわPay」利用実績の分析とその活用についてお尋ねがありました。  まず、利用実績の分析についてです。  かながわPay第1弾においては、最終的に利用者のアプリダウンロードは100万に達し、登録した加盟店も1万8,000を超えました。第1弾終了後、利用者・加盟店双方にアンケートを行ったところ、12万件以上の貴重な意見が得られ、御意見からは、大きな消費喚起効果があったことや、キャッシュレス決済の普及に貢献したことが分かりました。  そして、利用者・加盟店の双方から、第2弾を期待する多くの声が寄せられ、また、物価高騰対策として、強力な消費喚起策が必要とされたことから、6月補正予算で、還元ポイントを100億円まで増額し、第2弾を実施しているところです。  一方で、20代から50代までと比べて、60代、70代の高齢者の利用が少ない、新たにキャッシュレス決済を始めようとする加盟店にとっては、決済事業者への手数料を負担に感じている店が多いといった課題も明らかになりました。  次に、第2弾実施に向けた分析結果の活用についてです。  まず、高齢者の利用を増やすため、アプリの設定や操作が難しいと感じている高齢者に向け、携帯ショップ等で説明会を実施しており、今後、開催する地域を拡大していきます。  また、決済手数料の負担を理由に参加をちゅうちょしている店に対しては、加盟店からの新たな顧客が獲得でき、売上げが増加したといった声を紹介し、かながわPayに参加するメリットを丁寧に説明していきます。  このように、第1弾で得られた情報を第2弾に生かし、より多くの方のかながわPayへの参加を促すことで、物価高騰等の影響を受ける消費者・事業者双方をしっかりと支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔福祉子どもみらい局長(橋本和也)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 橋本福祉子どもみらい局長。 ◎福祉子どもみらい局長(橋本和也) 福祉子どもみらい局関係の御質問にお答えします。  高齢者の居場所づくりに向けた取組についてお尋ねがありました。  コロナ禍においても、高齢者が健康で生き生きと暮らしていくため、仲間と一緒に趣味や運動などを行う通いの場といった居場所の継続は大変重要です。  そこで、県では、コロナ禍でも、オンラインで居場所の活動が継続できるよう、これまで老人クラブのICT研修や、リモート認知症カフェの開催支援などを行ってきました。  支援した団体からは、外出が困難な中でも活動ができたといった多くの喜びの声を頂いた一方で、運営者側にも高齢者が多いことから、ICTの活用方法について、個別のアドバイスをしてほしいといった声が寄せられました。  そこで、県では、6月補正予算により、ICTを活用した活動の促進策など、専門的な助言を行うアドバイザーの派遣を開始したところです。加えて、今般の原油・物価上昇の影響により、高齢者の居場所の活動継続が一層困難な状況となっていることから、運営団体に継続のための協力金も支給しています。  今後は、アドバイザーを派遣した結果、どのような効果があったかを把握するアンケート調査を行います。把握した好事例は、県が市町村と共に高齢者の居場所づくりを考えていく伴走支援事業や、市町村職員等を対象とした研修会を通じて、広く横展開を図っていきます。  さらに、今年11月に開催するねんりんピックかながわ2022の地域文化伝承館では、県内の老人クラブが、趣味や運動などを行う居場所での生きがいづくりにつながる活動を紹介する予定です。  様々な魅力的な居場所を県民の皆様に周知し、高齢者の居場所の継続、拡大につなげています。  こうした取組を通じて、高齢者がコロナ禍でも健康で生き生きと暮らせる社会を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔産業労働局長(河鍋 章)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 河鍋産業労働局長。 ◎産業労働局長(河鍋章) 産業労働局関係の御質問にお答えします。  中小企業の価格転嫁に向けた支援についてお尋ねがありました。  物価高騰が続く中、中小企業が、燃料代や原材料価格の高騰分を適切に価格転嫁できなければ、収益が悪化し、廃業や倒産が増加するおそれがあります。  そのため、県は、価格転嫁できずに収益が悪化した中小企業に対し、原油・原材料高騰等対策特別融資により、その事業継続を支援しています。また、県内の元請企業等に対し、買いたたきの禁止など、いわゆる下請法の遵守を求めるとともに、価格転嫁にも応じるよう要請してきました。  さらに、公益財団法人神奈川産業振興センター─KIPに開設している下請かけこみ寺で、価格転嫁などの課題を抱える下請企業の相談に対応しています。  最近の相談では、製品の製造過程で要したエネルギーコストの上昇分を正確に把握できず、取引先と交渉するに当たり、提示した価格の根拠を説明できないといったケースが出てきています。そこで、今後、KIPでは、そうした企業に専門家を派遣するなど、エネルギーコストを含めた製造原価の計算についてアドバイスを実施していきます。  また、こうしたKIPの支援内容や、参考となる相談事例を分かりやすく紹介し、多くの企業に活用いただけるよう、より一層広報を強化していきます。  さらに、今後、増加が見込まれる価格転嫁等の相談に対応するため、商工会・商工会議所等の支援機関の体制強化について検討していきます。  こうした取組を通じて、中小企業の適正な価格転嫁を支援し、事業継続と経営改善を図ることで、県経済の活性化を促進してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  本県のクリハラリス対策についてお尋ねがありました。  クリハラリスは、1930年代に台湾から日本に持ち込まれ、県内では、1950年代から、江の島及び鎌倉市の山林内において野生化し、1980年代には、鎌倉市内のほぼ全域で確認されるようになりました。その後、2002年には、湘南地域や横須賀三浦地域で拡大が見られたほか、横浜市などにも分布が確認され、こうした地域では、果樹など農作物への被害のほか、公園や緑地の木の樹皮を剥いだり、電話線をかじるなどの被害が発生しています。  このため、生息が確認されている市町では、地域住民にわなを貸し出して捕獲するなどの防除対策を実施しています。  また、県立大船フラワーセンターで、本年2月頃から、樹木への被害が発生し始めたため、施設管理者が集中的にわな捕獲を行った結果、現在では生息が確認されない状態になっています。  県では、このような市町や施設管理者の取組に対して財政支援を行うとともに、県のかながわ鳥獣被害対策支援センターが、地域ぐるみの対策の立ち上げや、捕獲実施への専門的アドバイスなどを実施してきました。  しかしながら、現在、県央地域の一部でもクリハラリスの生息が確認されるようになり、生息域が拡大しつつあります。これ以上の分布拡大を食い止めるためには、目撃情報が寄せられた場所での早期の生息確認と捕獲を行っていく必要があります。  そこで、県は、クリハラリスの生息が初期段階にある県央地域の緑地において、地元市及びリスの生態に詳しい学識者と連携し、リスが互いに鳴き交わす習性を利用した音声によるわな捕獲など、新たな取組を10月から試行する予定です。  このように、今後とも、広域的、専門的な見地から、市町村とも連携して、クリハラリスの分布拡大防止に向けて取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  都市計画道路寺尾上土棚線の整備についてお尋ねがありました。  都市計画道路寺尾上土棚線は、綾瀬市の中央部を貫き、県央地域の南北軸を構成する4車線の幹線道路で、県道横浜厚木から南側は、整備が完了しています。  整備済区間には、昨年3月、綾瀬スマートインターチェンジが接続し、スマートインターチェンジの1日当たりの出入り交通量は、計画の約1.4倍となる約1万4,000台と、多くの方々に利用されています。  これまで綾瀬市内から東名高速道路や圏央道を利用する車は、海老名市内などのインターチェンジに向かっていましたが、開通後は、スマートインターチェンジを利用するようになったため、海老名市内などの一般道では渋滞が緩和しました。  一方、スマートインターチェンジに接続する都市計画道路寺尾上土棚線では、交通量が約3割増加するなど、周辺道路の交通に変化がありました。  スマートインターチェンジ周辺では、新たな産業用地が創出され、さらなる企業の集積が見込まれることから、都市計画道路寺尾上土棚線の県道横浜厚木以北の計画については、今後、事業化に向け、検討を深めていく必要があります。  この区間では、道路が学校や住宅地を通過する計画となっていることから、かねてより、環境悪化や地域分断などを懸念する声が寄せられていました。  県はこれまで、この道路が通る綾瀬市や座間市などと共に、こうした課題を共有した上で、まずは、道路整備の前提となる整備の効果について研究を行ってきました。  今後は、こうした取組を継続するとともに、地域の方々の懸念を払拭できるよう、周辺環境に与える影響などの諸課題についても、地元市と共に検討を深めてまいります。  答弁は以上です。  〔綱嶋洋一議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 綱嶋洋一君。  〔綱嶋洋一議員登壇〕 ◆綱嶋洋一議員 知事並びに環境農政局長、福祉子どもみらい局長、産業労働局長県土整備局長におかれましては、答弁ありがとうございます。  それでは、2点、再質問をさせていただきます。  1点目は、児童相談所の更なる体制強化についてです。  先ほど知事から、移転に向けたスケジュールについては、早期に移転する方向で調整を進めているとの答弁がありました。  虐待防止の機動性向上のためには、早期に所管区域内に移転させる必要があるという考え方には、私も大いに賛成をするところでございます。そこで、現時点で想定されているスケジュールについて見解を伺います。  2点目は、「かながわPay」利用実績の分析とその活用についてです。  かながわPayの消費喚起効果を県内全域に行き渡らせるためには、加盟店やユーザーの少ない地域で利用を増やしていくことが重要だと考えています。そのため、市町村と連携した取組も必要と考えますが、見解を伺います。  再質問は以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  まずは、児童相談所の移転の問題でありますけれども、移転予定の綾瀬市の施設を児童相談所として活用するためには、家族面接室や心理療法室などの改修が必要であります。  今定例会に提案しています9月補正予算案をお認めいただければ、速やかに改修に向けた実施設計の発注を行いまして、令和5年度半ば頃までの工期で設計を行う予定です。その後、令和5年度末頃から工事を開始しまして、竣工は令和6年度末頃、供用開始は令和7年度当初を予定しております。  かながわPayについてでありますけれども、県はこれまでも、市町村に会場を御用意いただいて、加盟店申請説明会を開催したほか、市町村が独自に実施する消費喚起事業とかながわPayが併用できることを共にアピールするなど、市町村と連携した取組を行ってまいりました。  今後は、加盟店や利用者が少ない地域の市町村と一層連携を図り、地域に密着したPRキャンペーンや説明会の開催などに取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔綱嶋洋一議員発言の許可を求む〕
    ○議長(しきだ博昭) 綱嶋洋一君。  〔綱嶋洋一議員登壇〕 ◆綱嶋洋一議員 それでは、幾つか意見、要望を申し上げたいと思います。  初めに、厚木基地に係る住宅防音工事区域の見直しについてです。  本日は、基地周辺住民への補助である住宅防音工事について伺いました。  そのほかにも様々な負担軽減策があり、地元自治体への財政的な補助もあります。それが、空母艦載機移駐により減らされています。  厚木基地は、旧海軍の飛行場として建設され、戦後は米軍によって接収されました。現在は、米海軍と海上自衛隊が使用する基地となっており、言わば日本の防衛に係る負担を長年にわたって背負ってきたという歴史があります。  現行制度上、騒音が減ったことにより、地元への支援が減らされてしまうということに、本当にそれでよいのかという危機感を覚えています。  今、世界情勢は大変緊迫しています。防衛費の増額を含め、安全保障に関する国民的な議論をしていく必要があると考えています。その中で、安全保障の負担を担っている基地を抱える地元への支援策は、本来どうあるべきなのか、第2の基地県の知事として、また、渉外知事会会長として、ぜひこの問題を提起していただき、あるべき支援策の実現を働きかけていただくことを要望いたします。  次に、児童相談所の更なる体制強化についてです。  児童相談所の設置場所が、所管域から距離があるということは、最悪の場合、子供の命に関わる問題です。できる限り早期の移転を要望いたします。  次に、コロナ禍での乳幼児期の子育て支援についてです。  採用間もない県の若手の児童福祉司に対し、児相管内の市町村の子育て支援業務の実態を知り、よりよい相談業務が行えるよう、市町村の乳幼児健診や、乳児家庭全戸訪問などの事業へ研修として参加できるよう要望いたします。  次に、高齢者の居場所づくりに向けた取組についてです。  市町村が住民の健康づくり事業を実施するに当たり、理学療法士や作業療法士、スマホ教室などにおいて、デジタル活用支援員など専門職を県から派遣できるようにすることを要望いたします。  次に、「かながわPay」利用実績の分析とその活用についてです。  キャッシュレス決済を導入することは、事業者のみならず、その利用可能店舗が増えれば、消費者にもメリットがあります。  事業者に、かながわPay導入を検討してもらえるよう、かながわPayで得られる利用データや分析データを個人情報に配慮しながら、市町村とも共有し、キャッシュレス化が進んでいない事業者にも有益な情報を提供することで、利用可能店舗が少ない地域においても導入が進むよう、取組を要望いたします。  次に、中小企業の価格転嫁に向けた支援についてです。  中小企業における賃上げを実現するためには、下請中小企業が付加価値を確保できるよう、コストの適切な価格転嫁が必要不可欠であります。  原材料価格やエネルギー価格、労務費等が大きく上昇しており、これらのコストが適切に価格転嫁できるよう、国及び関係事業者団体に働きかけていただくことを要望いたします。  次に、本県のクリハラリス対策についてです。  クリハラリスの侵入拡大を防ぐために、県においても市町村の取組に対し、様々な財政的支援や技術的支援を継続するとともに、新たな定着が効果的に食い止められるよう、広域的な見地から、しっかり対策を進めていただくことを要望いたします。  最後に、都市計画道路寺尾上土棚線の整備についてです。  都市計画道路寺尾上土棚線の県道40号以北整備については、以前から何度か取り上げてまいりました。  綾瀬スマートインターチェンジが接続されたことにより、その必要性はさらに高まっていますので、かながわのみちづくり計画に位置づけられている事業化の検討を加速させるとともに、早期の事業着手により、ボトルネックが解消されることを要望いたします。  以上申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時27分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和4年第3回-20220916-029294-質問・答弁-須田こうへい議員-一般質問①ウクライナ情勢が長期化する中での避難民への支援について②児童虐待ゼロを目指した、子どもの車内放置撲滅に向けた取組について③県行政の業務改善につながる取組について④行政機関窓口等におけるキャッシュレス化の一層の推進について⑤視覚障がい者によるICTの活用の促進について⑥誰ひとり取り残さない新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療の拡充について⑦誰ひとり取り残さない社会の実現に向けた、オンライン学習のさらなる充実について⑧山岳遭難発生時におけるドローンの活用について》                   午後1時   再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共97名 ○議長(しきだ博昭) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 質問を続行いたします。  須田こうへい君。  〔須田こうへい議員登壇〕(拍手) ◆須田こうへい議員 横浜市旭区選出の須田こうへいです。  議長のお許しを頂きましたので、私は、立憲民主党・民権クラブ県議団の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事、会計局長、教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、ウクライナ情勢が長期化する中での避難民への支援についてです。  2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を開始し、既に7か月が経過しようとしていますが、戦禍を逃れて、これまでに1,100万人以上のウクライナの方々が国外に避難されています。  また、出入国在留管理庁のデータによると、日本にも9月7日現在、1,722人の方々が親族や知人等を頼って避難されていますが、そのうち、本県も4月には55人だったところ、9月現時点では、126人の方々が避難されており、本県の避難民数は、全国で東京都に次いで2番目に多い状況となっています。  こうした避難民の方々には、人道的観点から、本人が希望すれば、1年間有効で就労制限のない在留資格が与えられていますが、ウクライナ情勢の先行きが見えない上、言葉や生活習慣が違う日本での生活に、不安や戸惑いを感じながら日々過ごしているのではないかと思います。  こうした中、本県では、ウクライナ避難民支援相談窓口を設置し、避難民やその家族等からの様々な相談に対応するなど、ニーズに応じた支援を行ってきたものと承知しています。  最近、ウクライナに関するニュースや報道は少なくなり、国民の関心も低くなっている嫌いもありますが、現在のウクライナ情勢を踏まえると、避難民の日本での生活は長期化することが想定され、こうした避難民への支援を一過性で終わらせることなく、継続的に実施していくことが必要であると考えます。  一方、支援をする民間団体等にとっては、支援が長期化することで、体制や予算等の問題から、支援が継続できなくなることも想定されます。  こうしたことから、避難民への支援は、日本での生活のスタートアップ支援とともに、今後は、就労支援や日本語学習支援など、避難民が日本の社会で自立して生活していくための支援が重要ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  避難民の日本での生活が、長期化することが想定される中、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、児童虐待ゼロを目指した、子どもの車内放置撲滅に向けた取組についてです。  児童虐待、ネグレクトについては、あってはならないことで、児童虐待ゼロの社会を目指していかなければならないと考えます。  本年7月、厚木市内において、母親が幼いきょうだいを車内に放置し、熱中症により死亡させるという大変痛ましい事件が発生しました。この事件は、社会に対し、強い衝撃を与えるとともに、深い悲しみをもたらしたことは記憶に新しいところです。  私は、さきの常任委員会でも、この事件について取り上げ、子供の車内放置は児童虐待であり、社会全体、全県民に向けて、その危険性についての注意喚起や意識啓発への取組を強く求めたところです。  全国的にも、車内放置により、子供の貴い命が失われる事件は後を絶ちません。子供を車内に残し、保護者が車から離れることは、子供の生死に直結する大変危険な行為です。  しかし、社会一般においては、そこまでの危険性が浸透しておらず、軽い気持ちで子供を車内に放置してしまう方も少なからず存在しています。  〔資料提示〕  ある民間企業が、子供を乗せたことがある運転者を対象に調査したところ、ここ1年で、車内に子供を残したまま車を離れた経験のある人が、5人に1人に上ることが分かっています。また、1割の方が、車内に置き去りにされている子供を見たことがあると回答しています。  子供の命を守るためには、車内放置をしないという意識だけではなく、車内放置は虐待であり、見かけたら、ためらわずにすぐに通報するという意識を広く社会全体で醸成するための取組が必要です。  千葉県では、知事が8月に緊急メッセージを発信して、県民の行動変容を促しております。子供が車内に取り残されての死亡事故は、9月に入ってからも静岡県で発生しております。業務上の過失であったとしても、貴い命が失われた事実は変わりありません。また、猛暑日を過ぎた時期でも、いつ事故が起こるか分かりません。  本県も、黒岩知事から、県民の皆様に強いメッセージを発信すべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  県として、車内放置の撲滅に向け、県民への意識啓発に、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、県行政の業務改善につながる取組について、2点お伺いいたします。  まず1点目は、ナッジのさらなる活用についてです。  社会課題を解決するに当たり、法律や条例を制定する、政策目的達成のために補助金を支出するといった従来型の手法だけではなく、行動科学の知見を活用して、本人や社会にとって、より望ましい行動を県民が自発的に取れるよう、そっと後押ししていく、ナッジというアプローチには強い関心を持っています。  ナッジは、財政的・人的資源が限られる中、行政サービスを継続していく上で、大きな予算をかけずに取り組むことができる手法です。国内外で成功事例もある、費用対効果の高い有用な政策手法であり、有効活用されれば様々な業務の改善につながります。  ナッジは日常生活でも活用されており、店舗のレジ前に足形のマークを置くだけで、自然と間隔を置いて並ぶようになります。本県の施策でも、マスク飲食を促すポップに鏡をつけることで、マスクをしていないことに気づいていただき、自発的にマスクをしていただくといった取組があります。  今後は、こうした取組を県庁全体で継続的に実践していくべきであり、担当部局のみならず、広く庁内全体でノウハウを共有し、様々な分野で活用していただきたいと思います。  また、住民サービスにより近い基礎自治体でも効果的に活用できることから、県内市町村への展開も強く期待するところです。  そこで、知事に伺います。  ナッジの考え方を普及し、実践につなげるために、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  2点目は、物品調達におけるリバースオークションについて伺います。  神奈川県では、他の都道府県に先駆けて、平成24年度から30年度にかけて、物品調達において、リバースオークション、すなわち、競争参加者が入札額を一度だけ提示する従来の調達方式とは異なり、定められた時間の範囲内で最低の価格を確認し、何度でも、より安い価格を提示できる競り下げ方式の試行をしてきたと承知しています。  試行では、民間の経験則を活用したリバースオークションは、調達コストの官民価格差を是正し、行政コストの削減に貢献してきたものと考えます。  現在でも、国立大学等での物品購入などで活用されており、調達方法の一つとして定着していることがうかがえますし、本県でも、かながわ再エネオークションにおいて、県内企業がより安く電力を調達できる仕組みとして活用されております。  近い将来、アフターコロナの県政を見据えると、財源不足となった際の対策の一つとして、現在の一般競争入札や随意契約だけではなく、より多様性のある調達方法を確保しておくことが重要であり、リバースオークションという選択肢を準備しておくことは、県行政の歳出削減につながる取組と考えます。  そこで、会計局長に伺います。  これまでの物品調達におけるリバースオークションの試行結果をどのように受け止め、今後どのように対応していくのか、会計局長の御見解をお伺いします。  〔資料提示〕  質問の第4は、行政機関窓口等におけるキャッシュレス化の一層の推進についてです。  県では、平成30年11月にキャッシュレス都市KANAGAWA宣言を行い、キャッシュレス化に積極的に取り組んできたと承知しています。自動車税や上下水道料金の支払い、また、e-kanagawa電子申請に伴う手数料の支払いなどについても、クレジットカードやスマートフォン等によるキャッシュレス決済が導入されています。  また、県民利用施設の窓口で支払う利用料等についても、キャッシュレス化の取組を進めており、県立歴史博物館や金沢文庫の観覧券も、スマートフォンや交通系ICカードなどで購入できるようになったとのことであります。  一方で、県民利用施設以外の行政機関の窓口における手数料などの支払いについては、まだあまり取組が進んでいないようです。コンビニエンスストアやファミリーレストランでは、キャッシュレス決済が当たり前で、もはや財布を持たずに、スマートフォン一つで大抵の買物が可能な時代であります。民間の当たり前に、行政窓口が追いついていないという印象を持たざるを得ません。  県民目線に立てば、証紙の廃止といった制度論より、現金以外の決済の選択肢が増えることこそが、県民の利便性向上につながるものであり、従来の行政側の手間暇がかかるといった行政目線から、県民目線へと価値観を大きく転換しなければならないと考えます。  キャッシュレス決済は、お釣りの受渡し等をしない非接触型であり、滞在時間の短縮にもつながるもので、コロナ禍における新しい生活様式の一つとして推奨されるべきものであります。  キャッシュレス決済の導入には、手数料等も必要になりますが、コロナ禍を克服するためのDXにおける必要コストであり、県民サービス向上の観点から、早期の導入が大変重要と考えており、その実現に向けて、知事の強い思いを示してほしいと思います。  そこで、知事に伺います。  県民利用施設や行政機関の窓口での現金支払いについて、今後どのようにキャッシュレス決済を導入しようとしているのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、視覚障がい者によるICTの活用の促進についてです。  私の地元、横浜市旭区の相鉄線二俣川駅から視覚障害者への支援拠点であるライトセンターに向かう途中にある交差点に、スマートフォン用のアプリを通じて、歩行者用信号の様子を、音声や振動で視覚障害者に伝えるシステムを組み込んだ信号機が設置されました。  先日、神奈川県警察が視覚障害者の当事者団体の方々をライトセンターにお招きして、この信号のシステムに関する説明会を開催されましたが、私自身、参加・体験させていただき、こうした新しいテクノロジーの活用によって、視覚障害者が安全に外出できるようにしていくことは大変意義あることと、改めて認識したところです。  近年では、入力された文字情報をリアルタイムで音声に変換するアプリや、鉄道の駅や建物の中にある点字ブロックに埋め込まれたQRコードを読み取ることによって、音声ガイドを聞くことのできるアプリも開発されており、タブレット端末やスマートフォン等で、視覚障害者も活用できるようになってきています。  こうしたICTの開発は、視覚障害者の社会参加にとって非常に有益なことと考えますが、県内の視覚障害者の中には、積極的にICTを活用している方がいる一方で、まだまだICT自体を知らず、活用していないという方も多いのではないかと思われます。  〔資料提示〕  そのため、県内の視覚障害者がICTに触れることができる機会を増やし、活用してみたいと思っていただけるよう、例えば、ライトセンターが、ICTの普及に一層取り組んでいくことも必要ではないかと考えます。  当事者目線の障害福祉の実現を目指す本県として、視覚障害者が必要な情報を取得したり、円滑にコミュニケーションを図ったりすることができるよう、ICTを活用する取組をより一層進めていくべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  県は、今後、視覚障害者によるICTの活用の促進について、どのように取り組むのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、誰ひとり取り残さない新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療の拡充についてです。  現在、第7波と言われる新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、本県においても、依然として感染者数が高止まりしている状況にあります。  県は、無症状・軽症の方には自宅等での療養を、また、重症化リスクの低い方には自主療養届出制度の利用を勧めることで、病床を確保し、限られた医療資源を適切に配分できるよう取組を進めていると承知しています。  しかしながら、自宅で療養される方が、もし療養中に症状が悪化した場合や、薬の処方を必要とする場合には、御自身で新型コロナの陽性者を診察できる医療機関を探さなければならず、周囲への感染対策もしなければならない中、その対応に不安を感じる県民の皆様を、本県が取り残すようなことは、決してあってはなりません。  〔資料提示〕  現在、国は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、電話や情報通信機器を用いたオンライン診療を実施する医療機関を都道府県ごとに取りまとめ、公表しています。  大阪府では、オンライン診療を行うかかりつけ医の診療体制を拡充し、約280機関から約500機関へと体制を充実強化しました。  また、仙台市では、自宅療養者が医師の診断を受けられる独自のオンライン診療を開始し、自宅療養者の体調急変に24時間体制で対応することで、対象者の不安軽減につなげています。  本県では、新型コロナをオンラインで診療できる医療機関は400程度にとどまっておりますが、本県の進める自宅療養・自主療養を補完し、誰一人取り残さない新型コロナウイルス感染症対策を実現するために、オンライン診療を行っている医療機関の数をさらに増やし、かかりつけ医によるオンライン診療体制についても充実強化していくことが必要と考えます。  また、現在、発熱外来の対応を行っていない診療機関にも、新型コロナのオンライン診療に参加してもらうことができれば、医療機関全体の負荷を軽減することにつながります。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染拡大による医療機関の逼迫を防止し、また、県民の皆様の不安を軽減するため、オンライン診療ができる医療機関の拡充について、県は、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けた、オンライン学習のさらなる充実についてです。  私は、文教常任委員会をはじめ様々な場で、ICTを活用したオンライン学習の充実について、提言を続けてまいりました。  オンライン学習は、コロナ禍における臨時休業時のような感染対策の手だてにとどまらず、子供たちの学びが時間と場所の制約から解放されることに、その本質的な意義があると考えます。  例えば、オンライン学習の活用場面として、様々な理由から不登校となっている児童・生徒に対し、教室での授業の様子をリアルタイムで配信する取組は大変効果的です。また、オンデマンドで学習教材を利用してもらうことも必要と考えます。  小中学校においては、不登校の児童・生徒のICTを活用した学びは、一定の要件の下、学校長が指導要録上の出席扱いとすることができ、本県においても、こうした取組がさらに広まっていくことが望まれます。  一方で、病気や障害のために学校を長期欠席している、いわゆる病気療養児に対しても、学びの保障の観点から、同様に、オンライン学習の充実を図ることが重要と考えます。  平成30年度に国が実施した調査結果では、入院や自宅療養で年間30日以上欠席する児童・生徒が全国に約8,000人おり、そのうち、対面での授業が可能な児童・生徒が4割程度、また、ICTを活用した遠隔授業や学習支援は、僅か3.6%の利用にとどまっていることが示されています。  現在、GIGAスクール構想により、本県の公立小中学校においても1人1台端末の整備が整いました。今後、各小中学校や市町村教育委員会においては、オンライン学習を一層活用し、不登校や病気療養中の児童・生徒など、様々な実情を抱えた児童・生徒の学びを保障していくことが重要と考えます。  そして、県教育委員会としても、誰一人取り残さない社会の実現に向け、市町村教育委員会や学校の取組をしっかりと支援していくことが必要です。  そこで、教育長に伺います。  公立小中学校における不登校や病気療養など、様々な実情を抱える児童・生徒に対するオンデマンド視聴も含めたオンライン学習の充実について、県教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、教育長の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、山岳遭難発生時におけるドローンの活用についてです。  神奈川県内には、大山はじめ丹沢山系の魅力的な山々があり、また、都内からのアクセスもよいことから、日帰り登山など、毎年多くの方々が訪れます。  紅葉が楽しめる秋の行楽シーズンを迎えると、ますます登山客が増えるものと思われますが、毎年11月は山岳遭難の発生件数がピークとなる時期でもあります。  〔資料提示〕  昨年度、私を選出いただいている横浜市在住者の山岳遭難は、県民のうち3割を超えております。さらに、県内における山岳遭難の件数は増加傾向にあり、令和3年度中における山岳遭難の発生件数は、全国ワースト4位というゆゆしき事態にあります。  山岳遭難の発生件数を減少させるためには、登山道の整備を進めるとともに、登山者に対して、登山者向けアプリのヤマップからも連動できる登山届の提出を一層推進することや、安全登山に関して広く啓発活動を行っていくことが大切です。  一方で、山岳遭難が発生した際には、いち早く現場に駆けつけ、広大な山中において、迅速に、かつ効率的に捜索活動を実施できるかに、遭難者の安否が大きく関わっていることは言うまでもありません。  また、危険と隣り合わせで救助活動に従事される隊員の皆様には感謝するところですが、隊員の皆様の負担を少しでも軽減させ、かつ安全面に配慮することも必要不可欠であると考えております。  〔資料提示〕  県警察においては、無人航空機、いわゆるドローンを配備していると承知しておりますが、ドローンについては、救助活動においても積極的に活用していくべきだと考えております。  現在、ドローン技術が進展し、山岳遭難現場で日が落ち、人やヘリコプターによる捜索が打切りになっても、小型化されたドローンによって、夜間飛行をして捜索することが可能です。  ドローンによって、僅か25分で東京ドームの2倍を超える10ヘクタールを撮影し、赤外線カメラで熱量を測定して、遭難者の位置を特定して位置情報を送信したり、搭載したスピーカーで遭難者に救助の案内をしたりする取組が既に始まっております。  本県においても、最新型のドローンの導入や活用のための人材育成、及び民間ドローン事業者との協定締結を大いに期待するところです。  そこで、警察本部長に伺います。  山岳遭難発生時におけるドローンの活用について、警察本部長の御所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 須田議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、ウクライナ情勢が長期化する中での避難民への支援についてお尋ねがありました。  ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、国際秩序の根幹を揺るがすものであり、決して許されるものではありません。  本県では、ウクライナ避難民の受入れについて、全庁横断的に検討する対策会議や、避難民等のための相談窓口をいち早く設置するとともに、民間企業や市町村等と連携しながら、オール神奈川で避難民に寄り添った支援に取り組んできました。  しかし、ロシアによるウクライナへの侵攻は依然として続いており、現在の情勢を踏まえると、今後は、避難生活の長期化を見据えた支援が必要です。  避難民の方々からは、まずは日本語を話せるようになりたい、そして、仕事をして、自分の力で生活していきたいという声を多く聞きます。  そこで、県では、避難民を対象として8月から実施している初心者向けの日本語講座を、避難民のニーズに応じて、引き続き実施します。また、継続的に日本語が勉強できるよう、今後は、地域の日本語教室や日本語教育機関とのマッチングも実施します。  さらに、就労については、避難民支援の専任スタッフを配置している、かながわ国際交流財団と連携し、ハローワークへの同行や、就労に必要な情報の翻訳など、避難民の就職に向けた支援を行います。  県では引き続き、避難民のニーズに応じたきめ細やかな支援を行うとともに、避難民が日本社会で自立して生活していけるよう、市町村や企業、関係団体等と連携し、オール神奈川で対応していきます。  次に、児童虐待ゼロを目指した、子どもの車内放置撲滅に向けた取組についてお尋ねがありました。  子供の車内放置は、児童虐待です。密閉された車内では、短時間に温度が一気に40度を超えるおそれがあり、こうした環境に子供を放置することは、命に関わる大変危険な行為です。  加えて、車内に取り残された子供の連れ去りや、座席からの転落など、思わぬ事件・事故につながる危険性もあります。  県では、今回の厚木市の事件を受け、直ちに児童相談所や市町村に対し、児童虐待である車内放置の危険性と注意喚起の徹底を改めて周知しました。  また、県民の皆様に対しても、県のホームページやツイッターを活用して、車内放置の危険性について注意喚起するとともに、県警察とも連携し、車内放置を発見した場合は、ちゅうちょなく児童相談所や警察に通報することを周知しています。さらに、民間企業などにも、広報などを活用した啓発に御協力をお願いしています。  こうした取組を進める中でも、児童相談所には、警察から車内放置事案の通告が入っており、より一層の働きかけが必要です。  そこで、かなチャンTVをはじめ、県のあらゆる広報媒体を活用して、私自らも発信いたします。  子供の車内放置は命に関わる危険な行為であり、絶対にやめていただきたいことや、車内放置を見かけた方は、ちゅうちょなく児童相談所や警察に通報いただきたいというメッセージを広く発信いたします。  また、11月の児童虐待防止月間においても、私自らの言葉で、車内放置をやめていただくよう訴え、繰り返し繰り返し発信していきます。  子供の大切な命が失われることがないよう、車内放置ゼロに向け、県民の皆様への意識啓発にしっかりと取り組んでまいります。  次に、県行政の業務改善につながる取組についてお尋ねがありました。  ナッジのさらなる活用についてです。  ナッジは、一人一人が本人や社会にとって、より望ましい選択を取れるよう、選択の自由を残した上で、そっと後押しする政策手法であり、非常に有効なものだと考えています。  例えば、海外では、たばこの吸い殻入れを投票箱に見立て、自分の好きなサッカー選手に投票する形で吸い殻を捨てることで、たばこのポイ捨てが46%減少した事例があります。  そこで、県においても、ナッジによる効果が期待できる取組を検討し、実践につなげています。  具体的には、県庁新庁舎の渡り廊下に歩幅の広い足形を配置し、楽しみながら健康的に歩くことを体感できるようにしたり、階段に風景写真を飾ることで、エレベーターより階段を利用したくなる行動につなげるという取組を行いました。  アンケートの結果、歩幅を意識するようになったという方の割合が58%となり、階段を使う割合が約10%増加しました。  また、がん検診の受診率を向上させるためにナッジを活用できないか、市町村の実務担当者に考えていただく研修も行いました。  一方、ナッジを効果的に活用し、広く浸透させるためには、実際の事業に活用することで得られたノウハウを蓄積し、そのノウハウを県だけでなく、市町村も巻き込んで共有していくことが大変重要です。  そこで、今後は、庁内だけでなく、市町村に対して、ナッジ活用の好事例や、実際の事業に取り入れる際のノウハウの共有をより一層推進することで、県内自治体の取組において、ナッジが広く実践されることを目指してまいります。  次に、行政機関窓口等におけるキャッシュレス化の一層の推進についてお尋ねがありました。  本県は、キャッシュレス化の推進に積極的に取り組んできており、平成24年度には上下水道料金、平成26年度には自動車税などについて、キャッシュレス決済を導入してきました。  県民利用施設については、現金の取扱いが年間1,000件以上の39施設から、順次キャッシュレス決済の導入を進めており、これらの施設では、令和5年度中のキャッシュレス化を目指しています。  今後は、対象施設を現金の取扱いが年間1,000件未満の施設にも拡大し、原則として、全ての県民利用施設にキャッシュレス決済を導入していきます。  また、現在、行政機関の窓口において現金で支払われている手数料等については、件数にかかわらず、全て令和5年度中の導入を目指しています。  導入に当たっては、件数の多い県民利用施設や行政機関の窓口では、利便性の観点から、クレジットカードやスマートフォンアプリなど、複数の決済手段を利用可能とします。また、件数の少ない施設や窓口については、スマホ決済の中でも、読み取り方式の二次元コード決済に限定し、費用を抑えて導入していきたいと考えています。  キャッシュレス決済は、スマートフォン一つで買物ができる手軽さや、コロナ禍における新しい生活様式の一つとして、私たちの暮らしの中で日常的なものになっています。  県民利用施設や行政機関の窓口においても、県民の皆様が現金に加えてキャッシュレス決済を利用できるよう、今後とも、様々な工夫をしながら、スピード感を持って取り組んでまいります。  次に、視覚障がい者によるICTの活用の促進についてお尋ねがありました。  視覚障害者が円滑なコミュニケーションを図ったり、生活の場を広げるために、ICTを活用することは大変有効です。  特に、最新の技術では、アプリを使って音声コンテンツをデジタル空間上に配置し、移動中のポイントごとに必要な情報を案内するといったことも可能となり、視覚障害者の様々な可能性を広げることも期待できます。  県のライトセンターでは、視覚障害者に対し、パソコンやスマートフォンの操作の講習を行うほか、視力の低い方の見えにくさをサポートする機器などの紹介や体験会を実施してきました。  また、視覚障害者が情報収集やコミュニケーションを行う際に、便利に使える機器やアプリなどをホームページで紹介したり、使用方法について相談を受けることなども行ってきました。  しかし、視覚障害者にICT機器の存在自体があまり知られていない上に、その利便性を実感する機会も少ないのが現状です。  県は、今年度、ライトセンターの様々な課題を議論するための会議を立ち上げ、視覚障害者の当事者に参加いただきながら、検討を進めています。  この中で、最先端のテクノロジーを活用した支援についても議題としていく予定であり、具体的には、企業の実証事業を活用して、視覚障害者が最新のICT機器やアプリを体験できる機会を、増やすことを検討していきます。  こうした取組を発信し、周知することで、視覚障害者、支援者、関係団体など多くの方に参加いただいて、ICTの利便性を実感していただきたいと考えています。  ICTの活用促進により、視覚障害者の社会参加の機会が広がり、その人らしく暮らすことのできる社会の実現を目指してまいります。  最後に、誰ひとり取り残さない新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療の拡充についてお尋ねがありました。  新型コロナ対策において、コロナ患者の受入れ医療機関の拡大も期待でき、自宅療養者の安心にもつながるオンライン診療の推進は大変重要です。  県では、コロナの対応初期からオンライン診療の有用性に着目し、初診からのオンライン対応など、規制緩和を国に要望し、これは既に実現しています。また、医療機関に対しても、令和2年度からの2年間で219件の補助を行い、オンライン診療に使用する通信機器の整備を進めてきました。  こうした取組の結果、現在、県内の発熱診療等医療機関のうち、約420機関がオンライン診療を実施しています。  一方、いわゆる全数把握の見直しに伴い、今後、健康観察の対象とならない方が増えていきますので、症状が悪化した際、より確実に医療機関にアクセスできる環境を整備する必要があります。  そこで、県では、コロナ医療におけるオンライン診療の拡充に向けた支援策を検討していきます。また、現在、県が公表している発熱診療等医療機関の一覧で、オンライン診療を行っている医療機関が分かるように改善したいと考えています。  こうしたことにより、オンライン診療を利用しやすい環境を整え、県民の皆様が安心して療養できるよう、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔会計局長(落合嘉朗)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 落合会計局長。 ◎会計局長(落合嘉朗) 会計局関係の御質問にお答えいたします。  物品調達におけるリバースオークションについてお尋ねがありました。  本県では、緊急財政対策を契機として、平成24年度から30年度までの7年間に、大規模案件を対象にリバースオークションを60回実施してきました。その結果、約14億円の経費削減につながりましたが、平均削減率を見ると13.1%で、類似の競争入札の15.0%と比べて1.9ポイント低くなりました。  加えて、リバースオークションの参加者からは、あらかじめ社内決裁により下限額を設定した上で参加し、それ以下になれば競り下げから離脱するので、実際に競り下がるのか疑問がある、競り下げ過程の拘束時間が長く、ほかの業務ができないなど、実効性や効率性を疑問視する意見もありました。  また、法令上、県がリバースオークションを直接実施できないことから、専門業者へ委託することとなり、その経費も必要となりました。  これらのことから、競争入札を上回るメリットは見いだせないと受け止めており、現在、物品調達におけるリバースオークションを休止しています。  今後、他団体の動向も注視し、顕著な効果が見込まれる場合は、リバースオークションの再開を検討したいと考えています。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係についてお答えします。  誰ひとり取り残さない社会の実現に向けた、オンライン学習のさらなる充実についてです。  オンライン学習は、コロナ禍における学びの手段にとどまらず、不登校や病気療養など、様々な理由で学校に行くことのできない子供たちの学びを支える手段として大変有効です。  また、公立小中学校で1人1台端末が配備された今、こうした子供たちに対して、オンラインによる学習支援を充実させることが重要です。  県教育委員会では一昨年に、オンライン学習の意義や留意点等をICTを活用した学びづくりのための手引きとしてまとめ、市町村教育委員会を通じ、各学校に、積極的に周知してきました。  この手引では、いつでも、どこでも学習に取り組むことができるオンデマンド型教材の利点や活用方法も示しています。  こうした取組により、昨年度、本県で不登校の児童・生徒に週1回以上、端末を活用して学習支援を行った学校は、小学校で約53%、中学校で約43%まで広がりました。  今後、オンラインによる学習支援をさらに拡充させるため、今年度新たに、全ての市町村教育委員会と共に設置した教育機会確保に関する連絡協議会で、その成果と課題を共有していきます。  県教育委員会としては、こうした取組を通じて、不登校や病気療養など、様々な事情を抱える子供たちに対するオンライン学習のさらなる充実を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 山岳遭難発生時におけるドローンの活用についてお答えいたします。  初めに、令和3年中における県内の山岳遭難の発生状況についてですが、発生件数は135件、遭難者数は153人であり、そのうち、亡くなられた方は6人でした。10年前と比較しますと、約2倍の発生件数となっており、発生件数は増加傾向にあります。  県警察では、山岳遭難を防止するため、安全登山に関する広報啓発をテレビ、ラジオ、ツイッター、ポスターなど、各種媒体を通じて行うとともに、登山届の提出を推奨しております。  登山届の提出を一層促進するため、本年4月、スマートフォン用アプリを運営している株式会社ヤマップと協定を締結し、登山者の利便性の向上を図るとともに、山岳遭難発生時には、登録された情報を捜索活動に活用しております。  次に、山岳遭難の救助体制についてです。  現在、県警察では、丹沢山塊などを管轄する7警察署において、駐在所勤務員を中心とした地域警察官により、山岳遭難救助隊を編成しております。山岳遭難が発生した際には、山岳遭難救助隊は隊員自身の安全を確保しつつ、消防等と連携して遭難者の捜索救助に当たっております。  捜索救助活動では、GPS、登山届等の情報を基に捜索を行い、必要に応じて、警察用航空機であるヘリコプターを出動させるなど、遭難者の迅速な発見と救助に努めております。  次に、ドローンの活用についてです。  県警察には、災害対策用のドローンが配備されておりますが、これまでのところ、山岳遭難の捜索救助活動等にドローンを活用した実績はありません。  近年、ドローンは、その性能、機能等の向上により、様々な分野で活用されているところであり、県警察におきましても、今後、山岳遭難の捜索救助活動にドローンを有効に活用することができるよう、体制の構築や隊員の訓練等に取り組んでまいります。  県警察といたしましては、引き続き、山岳遭難救助隊員の知識、技術の向上を図るとともに、ドローンの活用のほか、スマートフォン用アプリとの連携など、各種装備や技術を活用して、迅速かつ効果的で安全な捜索救助活動に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔須田こうへい議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 須田こうへい君。  〔須田こうへい議員登壇〕 ◆須田こうへい議員 知事並びに会計局長、教育長、警察本部長、御答弁ありがとうございました。  答弁を受けて、1点、再質問させていただきます。  誰ひとり取り残さない新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療の拡充についてです。  かかりつけ医となる各地域のオンライン診療体制を強化していくことが重要でありますが、他方、オンライン診療は、県内の医療機関のみならず、遠隔地からも診察ができるという大きなメリットがあり、感染爆発時には、医療逼迫した地域の医療提供体制をサポートすることも、技術的には可能です。  次の感染拡大に備えて、県域を越えて、オンライン診療の利活用を進めることも検討するべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  オンライン診療は、国の基準におきまして、容体の急変等の非常時に対面でも診療できるよう、同じ地域の中で行うことが望ましいとされております。  こうしたことから、コロナ119などへの相談に対しましては、県内の医療機関を紹介していきたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔須田こうへい議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 須田こうへい君。  〔須田こうへい議員登壇〕 ◆須田こうへい議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、意見、要望を述べさせていただきます。  初めに、ウクライナ情勢が長期化する中での避難民への支援についてです。  日本での避難生活が長期化することが想定される中、今後は、ウクライナ避難民の方々が日本で自立して生活していくための支援が必要です。  今後とも、自治体のみならず、企業や関係団体とも連携して、支援の輪を広げていくことで、避難民の方々の様々なニーズに対応していただきますよう強く要望いたします。  次に、児童虐待ゼロを目指した、子どもの車内放置撲滅に向けた取組についてです。  私も幼い子供を育てる一人として、厚木、静岡の事案では大変に胸を痛めているところです。  過去においても、痴漢は犯罪、飲酒運転は悪質な犯罪といった情報発信で、県民の行動変容が促されてきました。  知事から、車内放置は虐待です、という強いメッセージを発信していただき、毎年の定着を図ることで、児童虐待ゼロ、車内放置ゼロを目指した車内放置撲滅の実現に御尽力いただくことを求めます。  次に、県行政の業務改善につながる取組についてです。  ナッジのさらなる活用については、ナッジを活用したがん検診の案内など、市町村の取組にも期待をするところです。  今後とも、県有施設はもとより、県内自治体で幅広く活用し、好事例を積み上げていただきますよう要望します。  物品調達におけるリバースオークションについては、大学等では定着して活用されておりますし、多くの好事例も確認できます。物品調達における多様性を確保する選択肢の一つとして、前向きに検討いただきますよう、強く要望いたします。  次に、行政機関窓口等におけるキャッシュレス化の一層の推進についてです。  キャッシュレス化は、民間が先行して進んでおり、本県もスピード感を持って取り組む必要があります。県民目線に立ち、利便性の向上を図るため、今後とも、全庁で一丸となっての環境整備に努めていただきますよう要望いたします。  次に、視覚障がい者によるICTの活用の促進についてです。  ライトセンターを中心に、引き続き支援を強化していただくとともに、県として、実証実験などにも積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。  地下鉄駅などで、点字ブロックにQRコードを埋め込み、道案内をする取組が始まっていますが、視覚障害者が多く訪れるライトセンター近辺でも、点字ブロックが十分に整備されていない箇所もございます。整備点検と、さらなる改良を併せて要望させていただきます。  次に、誰ひとり取り残さない新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療の拡充についてです。  自主療養をされる方々が不安を覚えることなく、必要に応じて、いつでもオンライン診療を受診できる環境を早急に整備していただきますよう、強く要望いたします。  また、新型コロナウイルス感染症への対応については、特に、医療逼迫時において、広域連携を一層強化していただきますよう、併せて要望いたします。  次に、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けた、オンライン学習のさらなる充実についてです。  ICT技術によって、時間と場所の障壁を取り除き、誰もが学びの場に参加できますよう、今後は、高等学校の制度変更に向け、国への働きかけも含め、環境整備に力を尽くしていただきますよう、強く要望いたします。  次に、山岳遭難発生時におけるドローンの活用についてです。  人命救助には72時間の壁と言われるものがあり、山中における救助活動には、より多くの困難があるであろうことは想像に難くなく、重ねて感謝申し上げます。  県警察は、民間業者との協定やドローンの活用などを行い、より効率的な救助活動を目指していくということかと思いますので、今後は、さらに5年後、10年後を見据えて、最新技術を取り入れることを検討し、また、ドローンの軽量化や高精度化などを行い、遭難者の早期発見と救助に努めていただくことを要望いたします。  以上、意見、要望を申し上げるとともに、最後に、今もなお祖国ウクライナに帰れず、大変苦しい思いを余儀なくされている避難民の皆様に心から激励の意を申し上げ、私の一般質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和4年第3回-20220916-029295-質問・答弁-小野寺慎一郎議員-一般質問①債権管理の適正化について②若年層による市販薬の乱用防止について③医療機関等のネットワークの構築について④県営住宅における軽度知的障害の方への承継について⑤ICTの活用による災害対策本部の対応力強化について⑥新しいモビリティに対応した交通安全対策について⑦運転免許センターにおける技能試験受験者の利便性の向上について》   〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕(拍手) ◆小野寺慎一郎議員 議長のお許しを頂きましたので、私は、公明党県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問させていただきます。  知事、警察本部長、くらし安全防災局長におかれましては、ぜひ明快かつ前向きな御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴賜りますよう、よろしくお願いいたします。  質問の第1は、債権管理の適正化について伺います。  県では、債権管理の適正化を図るため、平成26年に神奈川県債権管理条例を制定し、様々な取組を進めてきました。  例えば、総務局総務室が行っている債権の管理・回収に関する研修の実施や、債権の管理・回収に当たる職員向けのハンドブックの作成、さらには、強制執行等の法的手続への第一歩となる裁判所への支払い督促の申立ての一括実施などの取組では、収入未済額が減少傾向となるなどの成果が上がっており、評価しているところです。  しかし、一方で、令和3年度包括外部監査によれば、遅延損害金の調定・徴収や、連帯保証人に対する請求が行われていないことや、また、長期にわたる放置による時効の完成、人員不足による債権管理事務の停滞、支払い督促の申立てにより債務名義を取得しても、有効な回収につながっていないこと等々が指摘されています。  未収債権の管理・回収が適切に行われなければ、行政として公平性を欠くことになり、県民の不信を招くことによって、住民監査請求や住民訴訟に至ることにもなりかねないことから、こうした状況は一刻も早く是正すべきと考えます。  包括外部監査人が指摘するような事態は、なぜ起こるのか。  まず、地方公共団体における債権は、税と同様に強制徴収できるものから、私債権のような非強制徴収債権に至るまで多岐にわたることから、債権回収に必要な知識や技能を身につけるまでに長い時間を要する上、その職員もいずれ異動してしまうこと。  次に、事業所管課は、本来業務が多忙で、債権管理にまで手が回らないこと、そして、福祉資金等の給付を担当する部署の職員が債権回収業務を行うことの難しさ、さらには、総務局総務室の経理・債権管理適正化グループの直接的な関与が、各部局からの手挙げ方式による支払い督促の申立てのみであり、それ以外の案件は、事業所管課が長期にわたって管理・回収することから、第三者のチェックが入りにくいこと、法的措置による債権回収業務が、必ずしも効率的とは限らない支払い督促に偏っていること等々が要因として考えられます。  そうした要因を取り除くためには、事業所管課に対し、債権管理・回収のスキルを持った職員を可能な限り配置することや、案件によっては、総務局総務室と事業所管課との共同所管とすること、また、職員の稼働時間を回収見込みの低い、また、低額の債権の回収事務よりも、回収可能性の高い債権の回収事務に充てるなど、債権の管理・回収の体制を一定程度見直していくことも必要です。  そこで、知事に伺います。  債権管理の適正化に向け、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  質問の第2は、若年層による市販薬の乱用防止について伺います。  全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査によれば、薬物依存で治療を受けた10代の若者たちが乱用する薬物のうち、市販薬の割合がここ数年で急増しているとのことです。  実際、風邪薬など市販薬を大量に服用するオーバードーズによって健康被害が発生する事例が増えています。  専門家によれば、若者たちは、快楽や享楽のために市販薬を乱用しているわけではなく、彼らなりの生きづらさを抱える中で、一時的にせよ、つらい気持ちから逃れたいと、リストカット同様、自傷行為の感覚でオーバードーズに走っているとのことです。  市販薬の場合、中心症状は、幻覚、妄想などの中毒性精神病の症状ではなく、ただ、やめられない、止まらないという依存的使用そのものですが、それでも、脳や内臓へのダメージは小さくありません。  若者たちを市販薬の乱用や依存から離脱させるためには、彼らの生きづらさに寄り添い、サポートしていくという精神保健的支援をしっかり行っていくとともに、SNS上に広がる乱用をあおるような投稿が、オーバードーズを繰り返す人たちの心のよりどころとなっていることから、その対策も必要であると考えています。  水際対策も大切です。すなわち、市販薬を販売するドラッグストア等において、大量購入をどのように食い止めていくのか。市販薬が目的外に使用されないよう、薬剤師や登録販売者が購入者に対して氏名や年齢を確認したり、市販薬の6成分を乱用のおそれのある医薬品の成分に指定し、法令によって販売時の数量を原則1人1箱に制限したりする規制措置が取られていることは承知しています。  それらの措置が抑止力となっていることを期待したいところですが、残念ながら、徹底されていないケースもあると思われ、最近の若年層による乱用増加傾向に鑑みれば、一層の強化が必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  県として、若年層の市販薬の乱用を防止するために、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  質問の第3は、医療機関等のネットワークの構築について伺います。  私は、令和元年9月の一般質問で、障害児等の移行期医療の充実をテーマに質疑を行い、患者情報を医療機関の間で共有するなど、重度の障害や難病などの疾病のある子供が、小児期の医療を、引き続き成人期にも切れ目なく受けられる体制を構築するよう求めました。  その際、知事からは、国では、2020年の稼働を目指し、ICTを活用して患者の病状や治療情報を共有するネットワークの構築を進めており、県として、このネットワークを県内医療機関が有効に活用できるよう、導入のためのガイドラインを策定するなど、支援に取り組んでいく旨の御答弁を頂いています。  県は、私の質問の翌年4月に、県内に約6,600人いる小児慢性特定疾病の子供たちのため、かながわ移行期医療支援センターを設置し、小児診療科から成人期診療科への橋渡しや、児童の成長に合わせて病気を理解するための支援をしていると承知しています。しかし、同センターで支援を受けられるのは、障害児等のごく一部にすぎないと聞いています。  そうした十分な支援が受けられない障害児をはじめ、県民誰もが身近な地域で安心して医療を受けられるようにするためには、患者を地域全体で支えるネットワークの構築が重要であることを改めて痛感しているところです。  患者が日頃から通う病院だけでなく、薬局や介護事業所などの地域の医療関係機関が連携し、患者の診療内容や薬歴、検査等の医療情報などをICTネットワークを活用して共有、閲覧する仕組みを整えることにより、過去の診療情報に基づいた、より安全・安心・確実な医療の提供が可能となり、適切な治療や健康観察につながるものと考えています。  また、この取組が進んでいけば、病院と病院の連携による、小児科から成人診療科への移行期医療や、医療と介護関係機関の連携による在宅医療の推進などが図られるようになります。  現在、県内では、横浜市の鶴見区、神奈川区で、サルビアねっとと呼ばれる地域の医療関係者等が患者情報を共有するためのネットワークが構築されてされていることは承知しておりますが、こうした取組が今後一層進んでいくことを期待しているところです。  そこで、知事に伺います。  ICTを活用して医療機関等のネットワークを構築し、患者の情報を共有する仕組みづくりが必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお聞かせください。  質問の第4は、県営住宅における軽度知的障害の方への承継について伺います。  公営住宅への入居は公募が原則であり、公募によらない入居、例えば、親から子への使用承継によって長年にわたり同一親族が住み続けることは不公平という考え方から、国において平成17年12月に「公営住宅管理の適正な執行について」という通知が出され、承継を認めるケースを、原則として、同居している配偶者及び高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要のある者とするよう、指針が示されました。  本県の県営住宅においても、平成19年から、その原則に基づき、入居名義人が亡くなったり、退去したりした場合、一定の要件を満たす同居者について、入居名義人の地位を引き継ぐことができる承継を認めてきたところです。  この承継制度により、高齢の方や、特に収入が低い方などの居住の安定に寄与してきた点については評価しているところですが、先日、ある入居者の方から御相談を頂きました。  それは、入居名義人である私がいなくなった場合、知的障害のある息子が、県営住宅に住み続けることができるのかといった切実な相談でした。その息子さんの障害区分はB2、軽度の知的障害でした。  現在の県営住宅の運用を確認したところ、軽度の知的障害では、自立した生活が可能であると考えられていることから、承継は認められておらず、1年程度の猶予期間のうちに、他の県営住宅に応募するよう指導しているとのことでした。  確かに、軽度の知的障害はあっても、自立した生活が送れる方がいるとは思いますが、多くの場合、周囲の助けが必要で、就労による収入も限られています。  国が行った平成30年度障害者雇用実態調査の結果を見ると、雇用されている身体障害者の平均賃金は月額21万5,000円、知的障害者は11万7,000円、精神障害者は12万7,000円となっています。それぞれ、全ての等級の平均値ですので、単純な比較はできませんが、軽度の知的障害のある方が、承継が認められている身体障害4級や精神障害3級の方と比べて、特に居住の安定を図る必要性が低いとも思えません。  そこで、知事に伺います。  軽度の知的障害の方については、特に居住の安定を図る必要があると認められるとの観点から、県営住宅の承継を認めるべきだと考えますが、知事の御所見を伺います。  質問の第5は、ICTの活用による災害対策本部の対応力強化について伺います。  明年は関東大震災から100年の節目を迎え、本県もいつ巨大地震に見舞われてもおかしくない状況にあります。また、近年、我が国では、各地で地震や噴火、風水害が繰り返し発生しており、防災・減災は、まさに政治のど真ん中に据えるべき課題であります。  そして、防災行政においてもDX─デジタルトランスフォーメーションの推進がうたわれる中、今後の災害対応力の強化は、ICTのさらなる活用が不可欠であると考えています。  古い話で恐縮ですが、平成19年の新潟中越沖地震で多くの被害が出た柏崎市の様子は、今でも強く記憶に残っています。定員の3倍近いお年寄りが身を寄せた特別養護老人ホームでは、ふだんそのホームを利用しない要介護者の情報をめぐって混乱が起きていました。  市の社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターでも、被災者とボランティアの間に、支援をめぐる情報の行き違いが生まれていました。  平成23年の東日本大震災でも、避難所など被災現場の情報がうまく集約できず、ニーズと支援のミスマッチが指摘されたところです。  大規模災害が発生したとき、県は災害対策本部を設置し、全庁体制で災害対応を行うことになりますが、中でも、災害対策本部に設置される統制部は、人命救助などを行う自衛隊や消防、警察など防災関係機関との連絡調整や、被災者支援を行う市町村への支援を一義的に担う本部の中枢機能であり、その統制部に市町村や被災現場の情報をいかに集約できるかが、円滑な本部運営の鍵になると考えます。  当然、統制部には多くの人員の配置が必要となりますが、被災状況によっては職員も参集できず、限られた人員で対応せざるを得ないことが想定されます。  そうした状況下では、特に、効率的、効果的に災害対応を行うためのICTが重要な役割を果たすことになります。  そこで、災害対策本部の統制部を主管する、くらし安全防災局長に伺います。  本県でいつ起きてもおかしくない大規模災害に備え、災害対策本部の統制部が被災状況の把握や、市町村、防災関係機関との連絡調整を迅速かつ円滑に行うために、ICTの積極的な活用が必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  質問の第6は、新しいモビリティに対応した交通安全対策について伺います。  近年、移動手段の多様化と、それに対応した新しいモビリティーの開発と利用が進んでいます。電動キックボードやシニアカーなど、マイクロモビリティーと言われる乗り物は、通勤や買物など日常生活の移動手段に、あるいは観光地におけるアクティビティーにと活用できることから、普及に期待をしているところです。  しかし、現在市販されている電動キックボードについては、いわゆる原付扱いであるにもかかわらず、車両登録をしていなかったり、ヘルメットをかぶらずに走行したりといった違法行為も散見され、東京や大阪などでは、無免許運転やひき逃げ事件も摘発されています。  令和3年12月の一般質問では、そのような状況を背景に、電動キックボードの安全対策について、警察本部長にお尋ねするとともに、脱輪や転倒などが重大な事故につながりかねないシニアカーや電動車椅子の安全対策についても、要望させていただきました。  こうした中、本年4月に改正道路交通法が成立し、公布から2年以内に施行されることになりました。  改正法では、最高速度が時速20キロメートル以下であることなど、一定要件を満たす電動キックボードは、特定小型原動機付自転車という新しい車両区分に位置づけられ、16歳以上であれば、運転免許は不要、ヘルメットの着用も任意となるそうです。  誰もが気軽に利用できる乗り物が増えることを歓迎する一方、運転免許が要らない乗り物となることから、交通ルールを十分に理解しないまま運転することにより、歩行者や自動車等とのトラブルや、人身に関わる事故が増えてくるのではないかと心配をしています。  また、シニアカーや電動車椅子などについても、多様な車種の登場によって、今後は、高齢者や体の不自由な人に限らず、幅広い利用者の増加が見込まれます。  このように、新たなモビリティーを取り巻く状況が大きく変化する中で、交通安全に対する意識啓発と教育の強化は必須です。  そこで、県交通安全計画を所管する、くらし安全防災局長に伺います。  今般の道路交通法の改正を踏まえ、電動キックボードを含めた新たなモビリティーの交通安全対策について、県は、県警察をはじめ関係機関と連携して、安全に関する啓発の取組を強化する必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  質問の第7は、運転免許センターにおける技能試験受験者の利便性の向上について伺います。  運転免許を取得するためには、適性試験や学科試験のほか、技能試験に合格する必要がありますが、技能試験は、指定自動車教習所を卒業する方などを除き、運転免許センターにおいて受験する必要があります。  運転免許センターで技能試験を受ける方法は、指定自動車教習所に通う場合と比べると、人によっては、短期かつ安価に運転免許を取得できる場合もあり、特に過去に免許を保有していた方などにとっては有効と言われています。  また、届出自動車教習所で所定の教習を受けた人など、多くの県民に利用されています。俗に一発試験などと言われていますが、実際には1回で合格することは、かなり難しいというのが私の認識です。  この技能試験には、仮免許と本免許がありますが、どちらの試験も不合格になると、次に指定される試験日まで2週間から1か月程度、間隔が空いてしまうことが多いと聞いています。  ちなみに、3日前の9月13日の仮免許試験に不合格となった方が、次の試験日に指定されたのは、約1か月後の10月14日です。  私は、試験日の間隔が空いてしまう一因に、試験官の人員不足があるのではないかと考えています。試験官として登用されるには、600時間もの教養を修めた後に、庁内の試験に合格する必要があるなど、育成に月日を要する上に、少なからぬ人員が高齢者講習に振り向けられているという現状があります。  人員の確保は重い課題ではありますが、県民サービスに直結する部門だけに、今後の取組に期待するところです。  さて、運転免許センターにおける技能試験は予約制となっており、その予約を変更したりする場合、電話で受け付けていることは承知していますが、当日の無断キャンセルも相当数出ていると聞いています。  そこで、県警察では、限られた受験枠を有効に活用するため、県警のホームページで、当日のキャンセル待ちの受験要領について周知し、受け入れる取組をしています。  技能試験に不合格となった人は、このキャンセル待ちを利用して、一日も早く再試験を受けたいところですが、次に指定された試験日前にはキャンセル待ちができないという分かりにくい仕組みが問題です。  また、キャンセル待ちを希望する人は、当日、受験できるかどうか分からない状況で、運転免許センターに赴かなければなりません。そうしたキャンセル待ちに関するシステムは、早急に改善していただきたいと思います。  近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、公共交通機関の利用をためらう方や、リモートワークにより、空いた時間の活用などで、運転免許を取得する人が増えているとの報道もあることから、技能試験受験者の利便性を向上させる取組が必要と考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  技能試験受験者の利便性向上に向けた今後の取組について、警察本部長の御所見を伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 小野寺議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、債権管理の適正化についてお尋ねがありました。  県では、債権管理の一層の適正化を図り、健全な行財政運営に資するため、平成26年に神奈川県債権管理条例を制定し、債権の管理・回収について取組を進めてきました。  こうした中、令和3年度の包括外部監査では、遅延損害金の調定・徴収の未実施や、債権管理事務の停滞、支払い督促後の強制執行の未実施といった指摘を受けました。  これらの指摘の背景として、困難事案に対する職員の知識、経験が十分ではなく、また、組織的な執行管理にも問題があったことが主な要因と考えています。  債権の管理・回収を適正に行うためには、貸付け等を行う際に、制度の趣旨や具体的な返済方法を債務者に説明し、理解を求めること、そして、滞納となった場合には、速やかに折衝を行うとともに、組織として、その後の経過を管理することで、滞納を長期化させないことが重要です。そのため、経験が浅い職員でも実務に早期に対応できるよう、ハンドブックを作成し、人材育成に努めてきました。  今後は、ハンドブックを適宜充実させるとともに、強制執行など、実務に沿ったテーマによる研修を実施し、引き続き、債権の管理・回収を担当する人材の育成に取り組んでいきます。  また、包括外部監査では、回収可能性が低い債権については、柔軟に債権放棄をして、限られた資源を回収可能性の高い債権に集中させるべきとの指摘もされています。  債権管理条例では、時効期間が経過し、債務者の所在が不明な場合など、将来にわたり回収が見込めない債権については、これを放棄できる旨を規定していますので、今後は、この規定を積極的に活用するなど、効率的な債権管理を徹底していきます。  あわせて、組織的な対応を強化するため、関係所属が連携したプロジェクトチームなど体制を整え、困難事案や停滞案件の解決に向け、債権管理の適正化に取り組んでいきます。  次に、若年層による市販薬の乱用防止についてお尋ねがありました。  市販薬などの医薬品は、用法や用量が定められており、これらを守らないと、重大な健康被害につながるおそれがあります。  特に、せき止めや風邪薬などには、精神に作用しやすいものもあり、用量等が守られずに乱用されているケースがあります。そのため、このような市販薬を薬局で購入する場合は、1人1箱に限定するとともに、若年層に対しては、薬剤師や登録販売者が氏名や年齢、購入理由を確認しています。  県ではこれまでも、市販薬の販売方法が遵守されているか、薬局やドラッグストアへの立入検査時に確認を行っています。  また、若年層に対しては、市販薬の不適切な使用が健康被害につながることを、学校等で開催される薬物乱用防止教室などで啓発しています。  しかしながら、全国の精神科病院の調査では、10代の患者の乱用薬物のうち、市販薬の割合が平成26年の0%から、令和2年には50%と急増しており、一層の対策が必要と考えます。  そこで、市販薬の適正販売を立入検査の重点項目とし、薬局等に改めて徹底を求めるとともに、関係団体を通じて確実に履行するよう、重ねて要請していきます。  また、市販薬を乱用する若年層には、心に悩みを抱え、生きづらさを感じている方もいます。県はこれまでも、ツイッターで、つらい、死にたいといったキーワードをつぶやいた方に相談窓口を案内してきましたが、今後は新たに市販薬の乱用に関するキーワードを追加していきます。  こうしたことにより、若年層における市販薬の乱用防止にしっかりと取り組んでまいります。  次に、医療機関等のネットワークの構築についてお尋ねがありました。  ICTを活用したネットワークを構築して、地域の医療機関等が患者の情報を共有する仕組みを整備することは、県民誰もが身近な地域で安心して医療を受けられるようにするために有効な取組です。  県では、地域の医療機関等のICTネットワークづくりを支援することを目的に、令和元年に神奈川県地域医療介護連携ネットワーク構築ガイドラインを策定しました。  このガイドラインを参考に、横浜の鶴見区、神奈川区の医療機関等が連携して、サルビアねっとを構築、運用しており、アレルギー歴や薬の副作用歴、検査結果などを共有する取組を行っています。  現在、このサルビアねっとには、病院、薬局、訪問看護ステーション、介護施設など113施設が参加し、1万4,000人を超える患者の情報が共有されています。また、今年度は、港北区、西区にも地域を広げて運用する予定であり、県は、対象地域の拡大に必要な費用への支援を行います。  なお、国においても、患者情報を共有するため、電子カルテの標準化をはじめ、医療情報ネットワーク基盤の在り方などが検討されています。そのため、将来的には、国が進める基盤づくりと連携することも視野に入れておく必要があります。  県としては、こうした国の動きを注視し、医療機関等に対して必要な情報提供や助言を行い、地域医療介護連携ネットワークの構築を引き続き支援してまいります。  最後に、県営住宅における軽度知的障害の方への承継についてお尋ねがありました。  県営団地は、低廉な家賃で住宅を提供しており、高齢者や障害者も含め、住宅にお困りの方に対するセーフティーネットとして重要な役割を果たしています。  県営住宅への入居は、公募が原則ですが、例外として、入居名義人がお亡くなりになった場合には、配偶者などの同居人が、引き続き住み続けることができる承継という制度があります。  この制度については、国の通知により、入居機会の公平性の観点から、特に居住の安定を図る必要がある方に限るよう求められています。  そのため、県ではこれまで、知的障害の方については、障害の程度が重度や中度の場合には承継を認める一方、軽度の方には自立生活が可能であるとして承継を認めておらず、他の住宅への転居をお願いしてきました。  そうした中、県は、今定例会に神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例案を提案しました。この条例は、障害者が、自らの望む暮らしを実現することができ、誰もが喜びを実感できる地域共生社会の実現を目指すものです。  県営住宅においても、公平性を担保しつつ、障害当事者の目線で、望まれる暮らしをどのように実現していくか、考えていく必要があります。  そこで、軽度の知的障害の方についても、生活環境の変化に敏感で、他の住居への転居後に苦労されている方もおられることから、継続して同じ部屋に住み続けることができるよう、承継制度の運用を改めます。  こうした取組により、県営住宅が今後一層、住宅のセーフティーネットとしての役割を果たしていくとともに、当事者目線の障害福祉を推進して、ともに生きる社会かながわ憲章の実現を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔くらし安全防災局長(佐川範久)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 佐川くらし安全防災局長。 ◎くらし安全防災局長(佐川範久) くらし安全防災局関係の御質問にお答えします。  ICTの活用による災害対策本部の対応力強化についてお尋ねがありました。  大規模災害発生時、災害対策本部の統制部でICTを活用し、迅速かつ円滑に人命に関わる応急対策の調整を行う体制を強化することは重要です。  県では、災害対応の基本となる防災情報を180に及ぶ関係機関と確実に受伝達するため、防災行政通信網を運用しており、現在、再整備を進める中で、最新のICTによる機能強化を図っているところです。  具体的には、専用のスマートフォンで、現場から直接送られる被害映像などを関係機関でリアルタイムに共有できるようにするなど、機動性を高めます。  また、河川の氾濫など、災害のリスクが高まった局面では、県と市町村、関係機関などを専用回線によるテレビ会議で結び、住民の避難や応援の調整等を行うことを可能とするなど、機能を充実させます。  再整備が終了する来年度以降、関係機関も交えた研修や訓練を重ね、最新の機能を備えた通信網を確実に運用できるよう、練度の向上に努めていきます。  さらに、県は災害情報を収集し、関係機関との共有や、県民の皆さんへの発信を一元的に行うため、災害情報管理システムを運用しております。  一方、国は、関係省庁や自治体を結ぶ防災デジタルプラットフォームを数年内に整備する構想を打ち出しています。県が国のシステムと連結をして、県のシステムの一層の機能強化を検討していきます。  このほか県は、県内23の消防本部との間で迅速に情報共有を図るKアラートや、AI技術を活用し、SNSに投稿された防災情報を瞬時に把握するシステムなど、最新技術の導入を進めています。  県は今後も、災害対策本部の統制部における迅速かつ円滑な活動を確保するため、ICTの積極的な活用に努め、災害への対応力強化を図ってまいります。  次に、新しいモビリティに対応した交通安全対策についてお尋ねがありました。  電動キックボードや電動車椅子などの新たなモビリティーは、次世代を担う交通手段として期待される一方で、普及に伴う交通事故の増加が懸念されます。そのため、安全に関する啓発の徹底が重要です。  そこで、県は、昨年の5月に改定した第11次神奈川県交通安全計画に、今後重視すべき視点として、多様なモビリティーの安全な利用に向けた対策を位置づけ、普及啓発に取り組んでいます。  電動キックボードについては、県警察と連携し、ヘルメットの着用など、交通法令遵守の呼びかけを行っています。  また、電動車椅子に関しては、走行前の点検や歩行者に準じた交通ルールなどについて、分かりやすい啓発チラシを作成し、販売店や関係機関と連携して周知を図っています。  こうした中、本年4月に道路交通法が改正され、電動キックボードについて、運転免許が不要となるなど、新しい交通ルールが定められました。これにより、電動キックボードの普及に伴う事故の増加を防ぐ観点から、販売店や利用者に対し、新しいルールの周知と、安全確保に関わる啓発や教育の徹底が、これまで以上に重要な課題になっています。  そのため、国は、交通安全教育の在り方や、安全対策に係るガイドラインの検討等を進め、公布後2年以内とされる法の施行に備えています。  県としては、今後、神奈川県交通安全実施計画に、改正法の内容や、国から示されるガイドラインの趣旨を反映し、交通安全教育や普及啓発などの対策強化を図ります。  加えて、交通安全に関わる224の機関で構成する県交通安全対策協議会を通じて、県警察や教育機関、市町村と連携し、新たなモビリティーの安全利用に向けた交通安全対策の一層の充実に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 運転免許センターにおける技能試験受験者の利便性の向上についてお答えいたします。  初めに、技能試験の受験状況についてですが、近年の受験者数は1万5,000人前後で推移していましたが、昨年は1万7,000人を上回りました。  また、主に外国籍の方が外国免許から日本免許へ切り替えるための運転技能レベルの確認数も、最近は増加傾向にあります。  運転免許センターでは、これらの技能試験等を1日当たり約100人、昨年は延べ約2万4,000人を受け入れております。  技能試験は予約制で実施していますが、約2割の方が予約当日にキャンセルする実情から、このキャンセル数を見越して予約数を設定しており、加えて、当日、運転免許センターに来られて、キャンセル待ちで受験を希望される方の受入れも行っております。  ただし、当日のキャンセル待ちによる受験は、技能試験官の人員や試験コースにも限りがあるため、希望者のうち、一部の方しか受験できない現状にあります。  そこで、県警察では、受験される方がいつでも空き状況を確認しながら、予約や予約の変更ができるオンラインシステムの導入を検討しております。これにより、いつでも予約等が可能となるほか、運転免許センターに行ってキャンセル待ちをする必要もなくなることから、受験者の利便性の向上が図られます。  さらに、技能試験官の予約対応業務が合理化され、受験枠の拡大も期待できます。  今後も引き続き、オンライン予約システムの導入をはじめとした運転免許業務全体の合理化、高度化を図りながら、県民の利便性に配慮した運転免許行政に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕 ◆小野寺慎一郎議員 黒岩知事、林警察本部長、佐川くらし安全防災局長には、真摯かつ丁寧な御答弁を頂き、ありがとうございました。  1点、再質問をさせていただきたく存じます。  知事からは、軽度の知的障害の方についても、承継制度の対象にしていただける旨の御答弁を頂きました。御理解いただき、感謝いたします。  今回、せっかく障害者目線に立って運用を改善するということですので、必要としている方々に、この情報が確実に届くようにしていただきたいと思っています。ついては、このたびの承継制度の変更をどのように周知をしていくのか、御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  これまで県では、入居の際に承継の制度を御案内するとともに、入居名義人がお亡くなりになった際にも改めて説明するなど、きめ細かな対応を行ってまいりました。  このたび、承継制度の対象を軽度の知的障害の方にも拡大しますので、こうした方がお住まいの御家庭に、まずはダイレクトメールをお送りしまして御案内するとともに、要請があれば、個別に訪問して説明を行います。  また、県のホームページにも、この制度を分かりやすく説明した内容を掲載し、広く周知を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕 ◆小野寺慎一郎議員 知事、ホームページに加えて、入居者の方々に文書でお伝えをしていただけるということで、大変ありがとうございます。  この承継制度、どのような場合に承継ができるのか、あるいはできないのか、これは入居の承継の承認に関する要綱というのがあるのですけれども、そこにも、実は分かりやすい記載がありませんでした。  こうした県民生活に身近な情報については、今回に限らず、ぜひ、県民がアクセスしやすい、そうした状況をつくっていただくようにお願いをしたいというふうに思います。  それでは、少々時間がありますので、その他の項目についても意見、要望を申し上げたいと思います。  初めに、債権管理の適正化についてであります。  包括外部監査では、一元的な管理を求める意見もございましたけれども、本県では、それを経験した上で、現在の事業所管課中心の管理・回収体制になったと承知をしています。債務の特性や事情が分かっている所管課のほうが、管理・回収がうまくいくということですけれども、反面、質問の中でも申し上げましたけれども、福祉的な目的で貸し付けたものを、同じ部署の職員が回収することに、やりにくさを感じる場合もあるのではないかというふうに思っています。  今回、関係所管課で、プロジェクトチームなど、そうした体制を整えるということでございますので、ぜひ、総務局の専門チームの強力なサポートもお願いをしたいというふうに思っています。  次に、市販薬の乱用防止についてです。  幾ら水際対策をやっても、ドラッグストアをはしごされたら何にもならないではないかという声を聞くと、やや無力感を禁じ得ないところでもあるんですけれども、まずは、できることを徹底してやっていくということしかないというふうに私は思っています。  若者の薬物依存に詳しい松本俊彦さんという医師がいるんですけれども、その方によると、英国では、製薬会社が市販薬1箱当たりに入っている錠剤の数を半分にしたと、そうしたところ、若者の自殺や市販薬の乱用が減ったという実績もあるそうなんですね。ぜひ我が国でも検討し得る価値はあるんではないかというふうに考えています。  また、SNSへの対策も試みてくださるということで、大変にありがとうございます。  オーバードーズ、あるいはリストカットの画像を競うように投稿する若者たちの本当に心中を思うと、いたたまれなくなります。難しい課題であり、試行錯誤を要するかもしれませんけれども、ぜひ効果的な対策となるように、工夫を重ねていただきたいと思います。  次に、医療機関等のネットワーク構築について申し上げます。  サルビアねっと、この立ち上げに関わった済生会横浜市東部病院の三角隆彦先生、その先生がおっしゃるには、これまで全国で構築されてきたICTを用いた地域医療ネットワークのほとんどが、十分な機能を果たせず消滅する状況、そんなふうに書いているのを読んで、そう簡単にできる事業ではないと改めて認識をしているところです。  先ほど知事からは、参加している機関の数をお聞きしましたけれども、そうした数もさることながら、提供される情報の質と量というものも重要だというふうに思っています。  他の自治体における成功事例、あるいは失敗事例などを検証しながら、神奈川県らしいネットワークが早期に構築できるよう引き続きの御努力をお願いいたします。  くらし安全防災局長には、災害対策本部の対応力強化と、電動キックボードなど新しいモビリティーの交通安全対策について御答弁を頂きました。  様々な行政分野で、DXの推進が図られるようになってきましたけれども、私は、防災・減災対策とAI、ICTというのは、特に密接な関係にあるというふうに感じております。正確な情報を素早く届けることで、被害を小さくすることにつながるというふうに思います。  通信事業者などが今、新しいサービスを次々と打ち出しておりますので、他の自治体の取組なども参考にしながら、神奈川県に最適な技術を積極的に導入していただきたいと思います。  また、電動キックボードなど新たなモビリティーについては、昨年暮れに警察本部長にその安全対策についてお尋ねしたところでありますけれども、申し上げたように、この間、改正道路交通法の成立という大きな動きがありました。  安全に関する教育や啓発は、国の方向性を見てという要素はあるにせよ、施行までに既に2年を切っています。県としてできることは、先行して行っていただきたいと考えています。  県警察をはじめ関係機関と連携してという話もありましたけれども、これは16歳から運転免許なしで乗れるようになるわけですから、その年齢に達する前に、交通安全の基礎をしっかり身につける教育が、私は必要だというふうに思っています。  特に、県や市町村の教育委員会とも、しっかり連携をしていっていただきたいというふうに思います。  警察本部長からは、運転免許センターの予約システムを改善していただけるという御答弁を頂きました。ありがとうございました。  私は運転免許センターの地元に住んでいるせいか、周囲にもセンターで技能試験を受ける方が多く、様々な御意見や御要望を頂戴しています。改善後のシステムについても、より利便性の高いものにするために、常に利用者目線での運用をお願いしたいというふうに思います。  また、今回はあえてお尋ねしませんでしたが、試験官の確保も重要な課題と考えています。人材の育成とともに、限られた有資格者、そうした方々の配置を戦略的に行っていただくように要望いたします。  以上、意見、要望を申し上げまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時47分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和4年第3回-20220916-029296-質問・答弁-大山奈々子議員-一般質問①県民のいのちと暮らしを守る施策の充実について②県政の重要課題について》                   午後3時5分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共83名 ○副議長(曽我部久美子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 質問を続行いたします。  大山奈々子さん。  〔大山奈々子議員登壇〕(拍手) ◆大山奈々子議員 日本共産党の大山奈々子です。  日本共産党神奈川県議団の一員として質問いたします。  〔資料提示〕  初めに、県民のいのちと暮らしを守る施策の充実についてです。  まず、精神障がい者が安心して地域で暮らすために必要な取組についてです。  我が会派はこれまで、精神障害に関し、救急医療体制や精神障害者の地域生活の充実に向けて取り上げてきましたが、本県が生活実態アンケートを行ったことは、改善への大きな一歩であり、当事者や御家族を励ましています。  このアンケートからは、精神障害者の多くは、障害特性のために働く意欲が持てなかったり、十分な所得が得られないこと、継続的な治療が必要なこと、精神科以外の医療機関にもかからざるを得ないことが明らかで、他の障害に比べて公的支援が弱く、生活が苦しい家庭が多い実態があります。精神科入院治療費が月に30万円を超える例も伺っています。  他の障害と同様に、高齢になった親御さんは、先行きや自分亡き後に大きな不安を抱えて暮らしています。  県内では、重度障害者医療費助成制度に精神障害の2級を加えている自治体も多々あります。本県でも、精神障害2級を位置づけることと、遠方へ通院するためのバス料金など、移動に関する財政支援は待ったなしの切実な願いであり、我が会派も強く求めたいと思います。  今回は、さらに幾つか解決すべき課題について質問します。  精神科救急医療体制についてです。  質問に当たって、私は精神障害当事者の方、精神福祉のお仕事をされている方、精神科医、看護師さんなどに取材をいたしました。  神奈川県の精神科救急医療体制では、精神障害者を夜間・休日に受け入れる基幹病院、協力病院が偏在し、少ないのが現状です。深夜の救急に対応する輪番の先生が足りず、先生も患者も御家族も遠隔地に行かざるを得ないケースがあるとも聞いています。  また、現在、神奈川県内の精神科救急医療体制の仕組み等の情報について、ほとんど公開されておらず、家族は全体像の情報が見えない不安の中、手探りでの対応を強いられています。  ホームページの情報は症例に対応していないので、どうすればよいか途方に暮れるとのことです。それなのに精神科救急の窓口電話も、夜間・休日につながっただけでも年間9,000件が集中するため、いつもつながりが悪いとの声を多々聞いています。  そこで、知事に伺います。  医療体制の仕組みや病院等に関する諸情報を整理公開し、回線を増やし、緊急時に連絡が取りやすい体制を構築すべきと考えますが、いかがですか。また、基幹病院や協力病院を拡充することが必要だと考えますが、見解を伺います。  次に、精神障がい者の住まいの確保についてです。  精神障害者は医療につながっているけれども、福祉にはつながりにくいとされています。御家族も安心して相談できる場が欲しいと切実に訴えておられます。引き籠もっている人を待っているだけではなく、アウトリーチ型の支援で社会参加を促すこと等も必要です。  あわせて、精神障害者が地域で自立して暮らせるための受皿の整備を推進するために、多様な住まいの可能性を探ることが必要です。  そこで、知事に伺います。  住まいの多様性を確保するために、グループホームだけではなく、不動産事業者との連携、居住支援法人を拡充するなど、質のよい低廉な住まいの提供を図るべきと考えますが、見解を伺います。また、そのために、住まいの財政支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。  次に、精神障がい者の相談体制についてです。  また、精神障害について、保健所でもなかなか詳しい相談に応じてもらえないという悩みを伺います。この問題に応えるために、専門的知見を身につけた精神保健福祉士に御対応いただくことが必要ですが、現状では、精神保健福祉士の資格を有する方の採用枠は特に設けていないとのことです。  そこで、知事に伺います。  福祉職の採用に際し、本人や御家族の相談を受けるために、専門的な知見のある精神保健福祉士の配置が保健所等に求められていますが、どのように拡充されるか、伺います。  次に、精神障がいに関する教育の充実についてです。  精神障害は、その症状への正しい理解のなさ等により、差別や偏見にさらされることになります。当事者団体から、精神障害について、誰もがオープンに話せる教育と啓発の必要性と、早期発見による治療につながるという意義を伺いました。  小中高生の発達に応じたカリキュラム化が必要で、人権意識と社会性を身につけることが急務です。また、生徒に向き合う教師の人権意識と感性を磨くためには、充実した研修が必要です。  そこで、教育長に伺います。  精神障害理解のための教育の必要性について伺います。また、取組について伺います。さらに、教職員の研修メニューに精神障害理解を盛り込むことが重要と考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  続いて、安全なファミリー・サポート・センター事業についてです。  ファミリー・サポート・センター事業は、国が推進する市町村の事業です。子育てを地域で相互援助する組織と説明されています。センター運営の費用負担を含め、国、県、市が同率の補助を行っています。  民間で言えば、ベビーシッター。保育園の送迎や、美容院に行く間の見守りなど、利用者の就労の有無を問わず、気軽に安く子供を預けられるということで、子育て世代には、需要はあるものの、専門性は問われていません。  県内では30自治体がセンターを設置し、資格の問われないアドバイザーが仲介や紹介を行っています。サービスを利用する依頼会員・提供会員、両方を兼ねる会員の合計5万6,245名がこの事業を利用しています。  多様なニーズに応えると言うと聞こえはよいのですが、本来なら、専門性を持った保育士が担うべき保育の事業を、無資格の人でも担えるところに問題があります。公の事業である以上は、最低でも安全性の確保が必要です。  2010年、大阪の八尾市でファミサポに預けられていた子が心肺停止で発見された事故では、その解決を行政側が当事者任せにしたことが国会でも議論され、2017年11月に、児童福祉法の施行規則が改正され、登録時に救命救急などの安全講習研修が義務づけられました。これとは別に、24時間程度の任意の研修もあります。  しかし、本県では、これらの研修を法改正以前はもちろん、改正後にも、コロナ禍などもあって実施されていないケースもあるとのことです。こういう状態では、安全性に甚だ疑問があると言わざるを得ません。  また、事故が発生した際の対応規範は、市町村は発生を早期に把握して援助を行い、必要な措置を講ずることという通知にすぎません。全国でこの5年間に重大事故として報告されただけで、本県の1件を含め7件の骨折事故が起きています。解決に公の責任が問われます。  また、活動報酬についても問題があります。提供会員だった県民から御意見を頂きました。子供の命を預かる仕事が、最低賃金を割り込む水準でよいのかというものです。  報酬は、基本、依頼会員から提供会員へ直接支払う仕組みになっています。県内には、小田原市等のように、時給700円という低い水準もあれば、海老名市のように、平日は1,000円、土日は1,300円という水準を、公費を投入して維持している自治体もあります。  海老名市は、お子さんの命を預かることや、提供会員の諸経費を考慮しているとのことです。有償ボランティアとはいえ、宿泊を伴うケースもあるといいます。子供の命を預かる活動に対して、どこまで正当に評価するのかが問われます。  そこで、知事に伺います。  保育の専門性がない方が担うファミリー・サポート・センター事業で預けられる子供の命を守るために、研修を受けていない会員のいる市町村へ研修の徹底を促すべきと考えますが、見解を伺います。  また、重大事故が発生した際は、当事者任せにせず、指導監督権限のある県が解決のために市町村を指導すべきと考えますが、見解を伺います。  さらに、海老名市のように、利用者負担の軽減と最低賃金レベルの報酬を保障している自治体を応援するために、報酬も含めて、本県も国も財政支援の拡充をすべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、核も基地もない平和な神奈川へ向けた取組についてです。  核も基地もない平和な神奈川は、本県の指針、県是です。ロシアによるウクライナ侵略は終わりが見えず、日本では軍備拡張や、敵基地攻撃能力保有が叫ばれる情勢の中で、改めて本県の安全と平和を願って質問します。  初めに、米軍オスプレイの運用問題についてです。  近年、米軍基地の機能強化が図られています。2021年以来、横須賀基地へは、米艦船のみならず、イギリス、オランダなどのNATO軍関係の空母等艦船の入港が相次いでいます。  2021年には、キャンプ座間に米第一軍団司令部110人が来日し、陸上総隊司令部日米共同部と共に、極めて実践的な指揮所演習が行われたということです。  特に危険なオスプレイについて伺います。  厚木基地では、オスプレイの定期整備が開始されました。横浜のノースドックをはじめ、2年前までは県内のオスプレイの離発着について、南関東防衛局から本県に情報が来ていたが、その後は情報が出せないということになったとのことです。  そういう状況の中、今年も3月にノルウェー、6月にカリフォルニアでもオスプレイは事故を起こし、8月にはCVオスプレイのローターとエンジンをつなぐクラッチが滑る現象で制御不能となるおそれがあるため、米空軍はCV機を全て地上待機したとのことですが、僅か2週間で飛行再開に踏み切っています。不具合の原因究明もされないまま、パイロットの技量頼みの再開です。  海兵隊に配備されているMVオスプレイに関しては、その現象は、乗組員の教育・訓練で乗り越えられるとのことで、停止を行っていないということです。  そこで、知事に伺います。  オスプレイの危険性についての認識と、クラッチが滑る現象が確認されても運用を停止していない海兵隊のオスプレイに対しても、停止して点検を行うよう求め、飛行を再開した空軍に関して、その対応結果の公表と、抜本的な改善策を国と米軍に求めるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査についてです。  第2回定例会の代表質問で、我が会派の君嶋議員が米軍基地由来の可能性があるPFOS・PFOAの汚染について原因調査を求めたところ、知事の答弁は、継続的な監視等を行うとともに、濃度に明らかな上昇傾向が見られた場合には原因の調査を行いますというものでした。  その後、6月には、横須賀基地の排水処理場の排水から高濃度のPFOS・PFOAの検出が判明したことから、横須賀市は9月に、漁場周辺で独自調査を実施するとのことです。  このように、県内でPFOS・PFOAの検出案件が頻発しています。  〔資料提示〕  厚木基地下流に当たる藤沢市、大和市、綾瀬市の引地川水系有機フッ素化合物調査結果を2020年度と2021年度で比較すると、共通した調査地点8地点のうち、実に6地点で両年度とも基準値を超え、4地点で前年度を上回り、3倍を超えているポイントが2か所、倍増が1か所となっています。これは明らかな上昇です。  しかし、県は明らかな上昇とはみなさず、そもそも明らかな上昇を示す指標を設けていないとのことです。議会答弁を行って3か月、原因の調査を行うに至る指標も検討されていないとは驚きました。その場しのぎの答弁かと思いたくありません。  そこで、環境農政局長に伺います。  県民の安心を担保するために、漫然と調査するだけではなく、議会答弁に実効性を持たせ、濃度に明らかな上昇傾向が見られた場合の「明らかな上昇」とは何か、明確な指標を、期限を限って設定し、原因調査すべきと考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 大山議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県民のいのちと暮らしを守る施策の充実について、何点かお尋ねがありました。  まず、精神障がい者が安心して地域で暮らすために、についてです。  初めに、精神科救急医療体制についてです。  精神疾患が急激に悪化した方に対して、速やかに救急医療を提供することは重要です。県では、精神疾患が急激に悪化した方に、精神科救急を円滑に御利用いただくため、医療体制などの情報を精神保健福祉センターのホームページで公開をしています。  また、政令市と協力して、緊急時に本人や家族から相談いただける窓口を設け、入院や外来受診が必要な方を的確に医療機関へ紹介できる体制を整えています。  さらに、七つの基幹病院と44の民間病院等が当番制で必要な数の病床を確保し、24時間、入院の受入れが可能な体制を整備していますので、これ以上、県から拡充のお願いをすることは考えていません。  県では今後も、政令市や精神科医療機関等と協力し、必要な方に適切な医療を提供できるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、精神障がい者の住まいの確保についてです。  まず、住まいの多様性を確保するための取組です。  県はこれまで、不動産事業者等と連携し、精神障害者などの入居を拒まない民間賃貸住宅の登録を促進するとともに、入居手続などのサポートを行う居住支援法人を増やしてきました。  県は引き続き、こうした取組により、精神障害者などが質のよい比較的低廉な住宅に入居できるよう努めていきます。  次に、住まいの財政支援についてですが、所得が低い精神障害者の方に対しては、国と地方自治体が協調して、入居する住宅の家賃を下げる制度があります。  この制度は、家賃補助の期間が原則10年に限られることや、公営住宅とどのように役割を分担していくかといった、制度を活用していく上で、市町村と共に解決すべき難しい課題があります。  こうしたことから、県では従来から、所得が低い精神障害者の方には、住宅セーフティーネットの根幹である県営住宅を御案内してきましたので、この取組を継続してまいります。  次に、精神障がい者の相談体制についてです。  県の保健福祉事務所等において、精神保健福祉分野の相談業務を担う職員は、精神保健福祉士の有資格者や精神分野の経験者など、適性のある人材を配置しています。  県は、福祉職を分野別ではなく、総合的に対応できる人材として採用し、採用後およそ10年間は、専門知識や幅広い視野を身につけることを目的に、複数の異なる分野で職務経験を積みますが、その後は、本人の希望も聞きながら、精神保健、児童や障害など各分野の専門人材として育成しています。  今後も引き続き、職場でのOJTやキャリアプランによって、精神保健福祉分野に対応できる人材を計画的に育成し、適材適所の配置を行っていきます。  さらに、今後、採用パンフレットを改訂し、精神保健福祉分野を含めた様々な仕事に関われるといった本県の特徴を一層アピールした内容を盛り込み、精神保健福祉分野に関心のある方に応募していただけるよう、大学等を通して積極的に広報していきます。  次に、安全なファミリー・サポート・センター事業についてです。  ファミリー・サポート・センター事業は、市町村が子供を一時的に預けたい保護者と、地域のボランティアをつなぐ取組であり、事業実施時の子供の安全性確保は重要です。  このため、市町村は、ボランティアに対して、事故防止などの研修会を定期的に開催しており、未受講者には個別に連絡を取って受講を促しています。  県も機会を捉えて、市町村に研修等の受講状況を確認し、必要に応じて受講の徹底を働きかけていきます。  次に、事故発生時の対応ですが、市町村には、事故を未然に防止する努力義務が課せられており、県は、指導監督者として、市町村から、事故の発生状況や再発防止の改善策に関する報告を受けることになっています。  そのため、不法行為や過失などが原因で、当事者間での解決が求められる場合を除き、市町村の対応が不十分な場合には、助言を行っていきます。  最後に、県と国の財政支援の拡充についてですが、ファミリー・サポート・センター事業の経費を見直す場合には、実施主体である市町村の財政負担も生じることから、市町村と意見交換してまいります。  次に、核も基地もない平和な神奈川へ、についてお尋ねがありました。  米軍オスプレイの運用問題についてです。  オスプレイについては、平成24年の我が国への配備前に重大事故が相次ぎ、その後も、平成28年に沖縄県の海上で不時着事故が発生するなど、県民の皆様の安全性に関する懸念が完全に払拭されたとまでは言えないと受け止めています。  そこで、県としては、オスプレイについて、安全対策の徹底や安全性に関する適時適切な情報提供等を繰り返し国に求めてきました。  そうした中、本年8月、米空軍が所属するオスプレイを地上待機としたことが明らかになりました。これを受け、8月23日には、米空軍オスプレイの安全を確認するまでの地上待機の継続、米海兵隊オスプレイの必要に応じた地上待機措置の実施などを渉外知事会会長として国に申し入れました。  その後、9月3日に米空軍が飛行の安全確保を確認し、地上待機措置を解除したとの情報提供が国からありました。これを受け、県として引き続きの情報提供と飛行の安全確保の徹底を国に申し入れました。  航空機の安全性は重大な問題であり、引き続き、基地周辺住民の方々の安全・安心が確保されるよう取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査についてお尋ねがありました。  引地川水系の調査結果ですが、令和元年度の国の調査と、その後の県の調査とを合わせた3年間のデータがある3地点については、いずれも、年度により濃度が増減し、傾向は一定していません。  PFOS等は、水質汚濁に係る要監視項目であり、国も、暫定目標値以外の基準を示しておらず、県が濃度の明らかな上昇を示す指標を設定することは困難ですが、目標値を超え、さらに継続して上昇が見られる場合に、原因調査を行うことを想定しています。  一方、最近では、PFOS等に対する関心が高まっており、本件については、必ずしも明らかな上昇傾向が見られませんが、住民の皆様の不安を払拭する必要があると考えています。  そこで、県は、原因調査に取りかかるべく、既に事前準備をしており、8月に実施し、現在分析中の令和4年度のデータも確認しつつ進めていきます。  県では、これからも県民に安心していただけるよう、適切な調査や情報発信に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係についてお答えします。  精神障がいに関する教育の充実についてです。  共に生きる社会を目指す上で、精神障害を含め、障害に対する子供たちの理解を促進することは大変重要です。  現在、小中高校などでは、発達段階に応じて心と体の関係などを学んでおり、今年度からは、高校の保健で新たに精神疾患について学習しています。  また、県教育委員会では、教員が授業等で活用する人権学習ワークシート集を作成して、子供たちに精神障害を含む障害等への理解を啓発しています。  さらに、人権教育や教育相談を担当する教職員を対象にした研修を毎年実施し、その内容を校内研修等を通じて、全ての教職員と共有するよう指導しています。  県教育委員会では、こうした取組を通じて、引き続き、精神障害等に関する教育をしっかりと進めてまいります。  以上でございます。  〔大山奈々子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 大山奈々子さん。  〔大山奈々子議員登壇〕 ◆大山奈々子議員 御答弁いただきました。  2点、再質問をいたします。  精神障がいに関する教育の充実についてです。  鬱病や双極性障害、統合失調症や発達障害など、精神障害は今や生涯を通じて5人に1人が経験するとすら言われています。  現状、全ての教員に向けた直接の研修メニューはなく、児童・生徒向け教材も見せていただきましたけれども、あまり個別の障害に踏み込んだ中身ではありません。  障害理解が進むことで早期に治療につながったり、障害特性を知らないがゆえの差別や偏見を取り除き、児童・生徒が自分らしく生きていくために、精神障害に関する教育は子供にも教員にも必要です。  精神障害理解のための冊子や、関係機関が作成した当事者の動画などがあります。せめて本県においても、冊子や動画を作成し、あるいは既存の動画を活用する等、幅広な精神障害理解に資する取組が必要だと考えますが、見解を伺います。  また、発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査についてです。  原因調査をされるということは評価しますが、先般、横須賀において検出された有機フッ素化合物は、米海軍横須賀基地由来であることが明らかです。  今回、質問で取り上げた地域で検出された原因として、在日米軍基地が含まれている可能性は高いと考えられますが、沖縄でも普天間基地において立入調査を行ったように、在日米軍基地を調査対象として、いずれ据えるべきと考えますが、見解を伺います。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の再質問にお答えいたします。  引地川水系で暫定目標値を超える濃度のPFOS等が検出された原因は、現在のところ不明であり、これまでの調査において、比較的濃度が高かった地点を中心に調査を行いますので、在日米軍基地は対象になりません。  なお、調査の結果、基地が原因と推定された場合には、対応については、地元市を含め、関係機関と相談してまいります。  以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えいたします。  県の教育委員会では、精神障害についての理解を促進するため、人権学習ワークシート集のほかにも、教職員の研修用資料として、教育相談コーディネーターハンドブックを作成しております。これらをしっかりと活用することで、教職員や児童・生徒に引き続き、精神障害の理解促進を図ってまいります。  以上でございます。  〔大山奈々子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 大山奈々子さん。  〔大山奈々子議員登壇〕 ◆大山奈々子議員 御答弁いただきました。  次に、意見、要望を申し上げます。  精神障害者が安心して地域で暮らすための取組についてです。  救急医療体制については、現在、十分な体制ができているという認識で、電話がなかなかつながらないという指摘にも、なかなか事態認識の一致が見られなかったところです。しかし、当事者の方々から、本当に電話がつながるまでは、生きた心地がしないという声を聞いています。こういった当事者の声を真摯に受け止めていただきたいと要望いたします。  現在、本県は当事者目線の障害福祉推進条例の策定を目指しているところでもあり、ともに生きる社会かながわ憲章を策定し、先頃は、この憲章を知っている県民が26.8%しかいないという趣旨の、テストの採点をモチーフにしたポスターを作っています。このポスターを御覧になった多くの県民から、訳が分からない、県は何が言いたいのか、こんなことに税金を使うべきではないと、私自身もお叱りの言葉を頂いています。  憲章の認知数を広げることだけが、本県の共生社会の実現につながるのではなく、本県が障害者施策を推進することによってこそ、共に生きる精神が本物だと分かっていただけるのだと考えます。  精神障害の分野においても、現状肯定ではなく、常に謙虚に当事者の声に耳を傾け、施策改善に当たる姿勢を求めたいと思います。  次に、安全なファミリー・サポート・センター事業についてです。  子供の大切な命を預かる保育という仕事の専門性を軽視した現行制度を、少しでも安全なものとすることは喫緊の課題です。  サービス提供会員に対する報酬の改善は、国に働きかける前に市町村と相談するというトーンでしたけれども、これはぜひ海老名市の姿勢に倣って国に働きかけていただきたいと思います。  また、事故発生時に監督権限を行使するという趣旨の御答弁がありまして、それは評価いたします。登録前の検証やフォローアップ研修を徹底することも、指導監督権限のある本県の重要な責務です。県の取組次第で、守れる命を守ることができる、その重みを踏まえて事業に当たっていただくよう要望いたします。  次に、核も基地もない平和な神奈川へ向けた取組についてです。  米軍基地の機能強化が図られている中で、オスプレイの危険性の認識は、従来、安全だと、国の言い分をそのまま繰り返してこられましたが、不安を覚えている県民感情を酌んだ認識が、久しぶりに示されたことは重要です。  離発着情報が自治体に届かなくなっていること、機体の不具合があったかどうか示されないまま、乗組員の技量で解消しようという危険な対応がされていること等、県民の不安は増すばかりです。  先般は、逗子の傷害事件に、逗子市議会が米兵の犯罪であるとして抗議の決議を上げる事態もありました。  危険な有機フッ素化合物の原因調査が行われることになりましたが、濃度の明らかな上昇があった場合、調査に至るその指標は国が設けないから設けないとのことですが、あまりにも自治体の主体性を失った御答弁です。調査します、でも調査する指標はありませんでは、県民の理解が得られず、議会答弁の信憑性に関わります。  調査に踏み切る根拠を主観に左右されることなく、科学的に設定することは、責任ある行政の姿勢を示し、指標を設定することを求めます。  米国環境保護庁は水道水の有機フッ素化合物に関し、70ナノグラム以下を安全性の目安としてきました。我が国は50ナノグラムですけれども、本年、米国環境保護庁はガイドラインを見直し、PFOS・PFOA合算で0.024ナノグラムと、実に日本の2,500倍以上厳しい水準に見直してきました。  基地あるがゆえの危険性が除去されるよう、県として、国や米軍に不断の働きかけを行い、米軍基地の整理・縮小・返還につなげていくよう要望いたします。  以上、要望申し上げ、今後も所管常任委員会で議論させていただくことをお伝えいたします。  〔大山奈々子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 大山奈々子さん。  〔大山奈々子議員登壇〕 ◆大山奈々子議員 次に、県政の重要課題について、スポーツ基本法の精神を生かすスポーツ行政についてです。  〔資料提示〕  本県の県立スポーツセンターの県民利用について伺います。  神奈川県立体育センターが再整備され、2020年から、県立スポーツセンターとしてリニューアルし、供用が開始されています。  運営形態は、県とPFI事業者の業務分担によって行われる形です。県が直接執行する費用のほかに、県がPFI事業者のサービスに対して支払う費用─サービス購入料等があり、2022年当初予算のサービス購入料は、維持管理や運営支援等に対し、3億2,000万円強が計上されており、その積算内訳は非公開とされています。  近年、公営施設の整備にPFI手法が導入されることが増えました。公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという名目です。  私たちは、公益性の後退や、地元業者の参入が難しいなどというデメリットが先行事例で多々見られるため、PFIでの整備には反対しています。  県立スポーツセンターの整備も、やはり不安が的中したという感が否めません。  まず、公益性を踏まえた県立施設の利用料金のあり方についてです。  駐車料金が無料だったものが、1時間を超えると追加料金が発生することになり、トレーニングルームも無料でしたが、一般1人1回500円に、スポーツアリーナは全面1時間2,260円だったものが3,400円、プールも小学生が100円から300円と3倍に、宿泊室に関しては1人1泊820円から3,000円という負担増です。お金がないと使えない施設になってしまいました。使いにくくなった、使えなくなったという声を聞いています。  私たちが当初、議会で料金改定について質問した際に、駐車場に関しては、民間の近傍料金も参考にするという答弁があって驚きました。公の施設が民間の利用料金を参考にするという発想自体が間違っています。  受益者負担という言葉が語られますが、そもそも県民は広く税金を納めておられ、だからこそ、その公益はあまねく享受する権利があります。行政において、受益者負担ありきという考え方は慎むべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  民営施設にはない公営施設の意義は何だとお考えでしょうか、見解を伺います。  また、県立スポーツセンターをはじめとした県立の施設において、その利用料金は公益性の観点から、今後、受益者負担ありきという発想を改めるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、公正性の観点から見た県立スポーツセンターの利用枠の問題についてです。  かつて体育センターを頻回に利用されていた新日本スポーツ連盟神奈川という団体から、利用が極めて困難になったとの御相談を受けました。この団体は全国組織で、神奈川県連盟としては、大人と子供を合わせて県内に3,300人以上の会員を擁し、テニス、サッカーなど20種類以上の競技の大会を開催し、全国のスポーツ祭典には、スポーツ庁の後援とメッセージも寄せられています。  ところが、この団体はそもそも建て替えに際し、利用者説明会に招かれませんでした。県が、県のスポーツ協会加盟団体など、一方的にスポーツ団体としての定義を設け、そこから外れている団体には説明会の案内をしなかったものです。  そのため、建て替え後の展望が見えず、開館してみると大幅な利用制限がかかってきました。これでは、多くの県民を置き去りにしたリニューアルだと言わざるを得ません。  この団体が県側と交渉した際に、あなたたちはスポーツ団体ではないと言われたそうです。この定義は利用制限に直結しました。利用等に関する事務処理要綱によると、3段階の優先枠が設けられ、優先されるべきは、アスリートの育成と学校関係、障害者団体等、未病関連イベント等とされました。  スポーツの機会が非常に限られる障害者の優先枠は理解できますが、一般的な利用を著しく制限する優先設定は疑問です。さきに挙げた団体は抽せんに参加できる機会が激減し、例えば、それまで年間24回使っていたサッカー場が、改修翌年には全く使えなくなり、その後、多少改善されたものの、関東大会や県大会を開催する際に、会場探しに非常に苦労されているということです。  同様に、多くの会員を有する神奈川県ドッジボール協会さんなども、優先順位が落ちたということです。  問題は、第1優先枠にPFI事業者が主催する自主事業が含まれていることです。PFI事業者の自主事業は100%事業者の収入になります。構図としては、県民の税金を使って運営する施設で、一般県民利用の枠を狭めつつ、税金を使って民間企業が営利活動を行う構図です。これは、公営施設の在り方として大変問題だと考えます。  〔資料提示〕  私自身かつて中学校の体育館を借りて、子供のサッカー部関係者とチームを結成し、フットサルを楽しんでいました。しかし、体育館の壁の損傷が激しく、利用を止められて以来、行き場がなく、近くの民間のフットサルコートでは利用料金が高過ぎて、ついに活動を休止せざるを得なくなった経験があります。  それはスポーツの場の喪失であり、世代や性別を超えた楽しいコミュニケーションの場の喪失でした。県立のスポーツ施設が改修された結果、スポーツの場が失われるということがあってはなりません。失意の県民をどれほど生んだかと思うと、暗たんたる気持ちになります。  スポーツ基本法には、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利とされ、全ての国民がスポーツを楽しみ、又はスポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならないと、スポーツの権利性について言及しています。  そこで、スポーツ局長に伺います。  リニューアルした県立スポーツセンターの利用についての説明会に、広く利用団体に参加を呼びかけなかったことは公正さを欠くと考えますが、このことをどう捉えているか、見解を伺います。  また、スポーツ団体を狭く定義したことを見直すべきと考えますが、見解を伺います。  さらに、事業者の営利よりも、県民がスポーツに親しむ機会を保障することを優先すべきと考えますが、今後の公正な利用調整に向けてどう取り組むか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、拳銃による自死事件を重く受けとめた再発防止についてです。  2016年3月12日、神奈川県警泉署内において、同署の25歳の署員が拳銃で自死しました。御遺族が原告となり、安全配慮義務違反により発生したとして、本県を被告として損害賠償請求を提起、7月29日に判決が下り、県は敗訴となりましたが、控訴の手続を取るということです。  県民の人権と命を守る立場から、今後の対応について伺います。  原告の主張する事件の経緯の概略は、命を絶った署員は、飲み会において先輩の体についたアイスをなめさせられたり、キスをさせられたりしたことがあった等々、日常的なハラスメントがあったこと、その末にメンタルを病んでいました。  実家に戻ってリフレッシュするようにと上司からアドバイスを受けたものの、実は帰省しておらず、寮にいて、休み明けに仕事に復帰し、上司に拳銃を保管庫から取り出してもらって受け取り、その直後に自死に至ったというものです。  人一人の貴い命が失われた事件を受けて、警察の自浄努力が問われています。拳銃の厳格な管理と併せ、何らかの悩みを抱えた職員が信頼して話ができる独立した第三者機関など、相談体制の強化が必要だと考えます。  また、本事案に関わりなく、警察組織は、一般的な企業や行政機関とは異なり、上下関係が厳しい指揮命令下に置かれている上に、労働組合もないため、恒常的なハラスメント対策を行うことが、とりわけ必要です。  2017年には、神奈川県警ハラスメント防止対策要綱が作成されたとのことですが、それ以降だけを見ても、神奈川県警では、相模原署での暴言暴行、中原署のパワハラ、川崎市警察部警部による警察官へのパワハラ、東京パラリンピック警備での部下へのパワハラなど、残念ながら、ハラスメント事案が多発しています。有効なハラスメント対策のためには、不断の見直しが必要だと考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  この事案を受けて、一つには拳銃の管理や悩み事対応について、警察署内でどのように再発防止を図ってきたのか、二つには、諸問題で悩みを抱える職員が信頼して相談できる第三者機関を整備すべきと考えますが、見解を伺います。  また、恒常的にハラスメント対策にどのように取り組んでいくか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の重要課題についてお尋ねがありました。  スポーツ基本法の精神を生かすスポーツ行政に関する公益性を踏まえた県立施設の利用料金のあり方についてです。  初めに、公営施設の意義についてです。  公の施設は、地方自治法に規定されているとおり、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設であり、この点において、民間施設と性質が異なります。  県立スポーツセンターは、スポーツを推進し、県民の誰もが生涯にわたりスポーツを楽しみ、もつて県民の心身の健全な発達、健康で明るく豊かな生活及び活力ある地域社会の実現に寄与することを目的に設置した施設であり、公共的役割を担っています。  次に、県立施設における利用料金の在り方についてです。  県立施設には様々な利用形態の施設がありますので、その全てについて受益者負担を求めるべきとは考えていません。しかし、スポーツ施設のように、サービスの提供が特定の利用者に限定され、民間でも類似のサービスが提供されているような施設については、公平性の観点から、受益に応じた負担を求めることが適当と考えています。  私からの答弁は以上です。  〔スポーツ局長(三枝茂樹)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 三枝スポーツ局長。 ◎スポーツ局長(三枝茂樹) スポーツ局関係の御質問にお答えします。  公正性の観点から見た県立スポーツセンターの利用枠の問題についてお尋ねがありました。  まず、リニューアル時の説明会についてです。  当時の説明会は、以前から、国民体育大会やインターハイ等で活躍するアスリートの支援など、県のスポーツ施策と密接な関わりのある県スポーツ協会の加盟団体等188団体を対象に行い、他の利用者にも同様の内容をホームページで周知しました。  なお、今年度の説明会の開催に当たっては、より広くその他の団体に対しても通知しました。  次に、スポーツ団体の定義についてですが、スポーツセンターの利用に関する事務処理要綱では、行事の主催者、内容等から優先利用の基準を定め、県のスポーツ施策と密接に関わっている県スポーツ協会等、優先度の高い主催者をスポーツ団体と定義したものであり、この考え方を見直す予定はありません。  次に、公正な利用調整についてですが、PFI事業者の自主事業は、幅広い方々のスポーツ参加や多様なスポーツの普及、競技力向上に資する事業を県民に提供するもので、平日を中心に実施しています。  県では今後も、より広く御利用いただけるよう努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 拳銃による自死事件を重く受けとめた再発防止についてお答えいたします。  初めに、亡くなられた職員の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に心からお悔やみを申し上げます。  県警察では、警察官が拳銃を使用して自死したという事実を重く受け止め、身上把握の徹底を図るとともに、職員が悩みを相談しやすい職場環境の構築に努めております。  拳銃の管理につきましては、引き続き、関係規定にのっとった適正な拳銃の保管措置に努めております。  第三者機関の整備につきましては、現在、県警察の部内外の相談窓口について、職員に周知しているところであり、現時点では考えておりません。  次に、ハラスメント対策につきましては、県警察では、ハラスメントの防止及び排除に向け、職員に対する指導監督に努めるとともに、警察本部等の相談窓口のほか、各所属にハラスメント相談員を置き、悩みを一人で抱え込まないよう職員に呼びかけるなど、各種取組を推進しており、引き続き徹底を図ってまいります。  以上でございます。  〔大山奈々子議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 大山奈々子さん。  〔大山奈々子議員登壇〕 ◆大山奈々子議員 初めに、1点、訂正いたします。  県警のハラスメントを列挙した際に、東京パラリンピックと言うべきをオリンピックと申し上げてしまいました。パラリンピック警備に訂正いたします。〔訂正済〕  意見、要望を申し上げます。  最初に、スポーツ行政についてです。  公の施設は、住民の福祉増進のために機能しなければなりません。税金で運営する施設を営利企業の収益優先にすべきではなく、スポーツを楽しむ広範な県民に開かれるべきです。  広く利用されるよう考えていくということでしたけれども、利用状況を見ながら不断のルールの見直し、優先枠の見直しを求めたいと思います。  スポーツは人権であるという法の精神を尊重し、期待される役割を自覚し、運営に当たられるよう要望します。  また、説明会についてホームページで周知したというお答えがありましたが、これは県行政全般に言えますけれども、ホームページに出したら、それでイコール周知とは言えません。先ほどは、県営住宅の利用について、当事者の方にダイレクトメールをお送りしたという丁寧な対応が御答弁されました。  ホームページをもって、それで知らせたという考え方は、これも私たちは、本県は卒業するべきかなと考えておりますので申し上げます。  次に、拳銃による自死事件を重く受けとめた再発防止についてです。  貴い人命が失われた事件を受けて、拳銃の管理や相談体制の徹底が図られたことは大切ですが、司法判断でハラスメントとの因果関係が問われるかどうかと関わりなく、原告が、息子さんが自死に至る理由の一つとして、ハラスメント問題を主張しておられることは、謙虚に受け止めるべきです。  ハラスメント防止対策要綱が作成された以降も多発していることを受け止め、抜本的な組織改革が必要であることを申し上げて、要望といたします。  これで質問を終わります。  どうもありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和4年第3回-20220916-029297-質問・答弁-佐藤けいすけ議員-一般質問①2025年度に向けた介護人材確保の取組の一層の推進について②本県における今後のスポーツ施策の推進について③関係人口の創出を通じた移住の促進について④丹沢大山における登山者等による県民協働の取組について⑤中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持について⑥県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間について⑦本県の教員の働き方改革の取組について》   〔佐藤けいすけ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 佐藤けいすけさん。  〔佐藤けいすけ議員登壇〕(拍手) ◆佐藤けいすけ議員 愛川町・清川村選出の佐藤けいすけです。  議長のお許しを頂きましたので、私は、かながわ県民・民主フォーラム県議団の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  3年前に初めてこの本会議場での質問に出させていただいて以来、7度目の質問となり、この間、地元の課題も多く取り上げさせていただきました。  さて、私の選出区である清川村は、人口や財政などでも、県内でも最小の自治体ですが、村の職員や住民と話している中でも、県の役割の話題がよく出ます。それだけ県への期待も高く、ほかの市町よりも県の取組が身近で、県との距離感が近い自治体であるとも言えると思います。  こうした自治体に対し、県は、県としての役割をしっかりと果たしてほしいですし、しっかりと耳を傾けていただきたいと思います。  知事、環境農政局長県土整備局長並びに教育長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴をお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、2025年度に向けた介護人材確保の取組の一層の推進についてです。  令和3年7月9日に厚生労働省が公表した第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数についてによれば、本県では、団塊の世代が75歳以上となる2025年度までに、さらなる人材確保対策を講じなければ、県内で約1万6,000人の介護人材が不足する見通しとなっています。  〔資料提示〕  本県では、かながわ高齢者保健福祉計画において、2025年度に不足すると見込まれる介護人材の確保を目標に位置づけ、この目標に向けて、必要な介護人材の確保を図るための事業計画を策定し、地域医療介護総合確保基金を活用するなどして、取組を進めていることは承知をしています。  しかし、地域医療介護総合確保促進法に基づく神奈川県計画の令和2年度の事後評価によると、例えば、介護人材マッチング機能強化事業では、キャリア支援専門員による紹介者数1,000人の目標値に対し、コロナ禍の影響があるかと思いますが、達成値が463人、また、外国籍県民向け福祉施設就職相談会の参加者については、目標値250人に対し、達成値は123人と半数以下にとどまっています。  現場の方からは、人材確保事業について、今までのやり方が効果を上げているのか見直し、アプローチをどんどん変えて、様々な取組を試みてほしいという声も聞かれます。  また、多様な人材の確保と介護職の魅力向上のためには、介護という仕事がどのようなものか、広く周知することが不可欠ですが、介護の仕事に触れる機会、理解する機会が不足しているとの現場の声も寄せられています。  例えば、県や福祉人材センターでもSNS等の発信を行っているところですが、介護施設がどのようなことをしているのか、地域とどのように関わっているのかといった、日常の中のリアルな介護の状況を発信し、県民や地域などに広く知ってほしいという声も聞きます。  発信については、将来の介護職員を育てていく視点から、学生などの若い人に介護の仕事をもっと知ってほしいという声も寄せられており、若者をターゲットにしたSNS等の発信が重要と考えます。  県としても、現状であらゆる取組をしていることは理解しますが、本県は全国でも有数のスピードで高齢化が進んでいることからも、地域のセーフティーネットの観点から、切実に捉え、人材確保に向けて様々な取組を進めるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  介護人材の確保策について、事業を効果的に実施するため、これまでどのような見直しを行ってきているのか、また、介護の仕事の魅力を伝える取組をさらに推し進めるべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、本県における今後のスポーツ施策の推進についてです。  ラグビーワールドカップや東京2020大会など、大型の県のスポーツイベントも終了し、今後は、こうしたイベントを通じて得られた人々のスポーツへの意識の高まりや、そこで得た知見を踏まえ、スポーツが持つ様々な力を社会に生かしていく必要があると考えています。  〔資料提示〕  こうした中、この3月に示された国の第3期スポーツ基本計画では、スポーツの成長産業化やスポーツによる地方創生、地域振興など、スポーツによる地域・経済の活性化を推進することとされています。  この国の計画では、こうした地域・経済の活性化を推進するに当たり、地域住民や企業、プロスポーツチームなどとも連携・協力して、地域を挙げて取り組むことが不可欠であるといったことが示されています。  私は、こうした取組は、地域・経済の活性化を図る上で重要であると考えており、取組を進めるに当たっては、本県の強みを生かし、企業や団体など幅広い関係者から意見を聞き、ニーズを把握し、そうしたニーズを具体的な施策に結びつけていくべきと考えています。  他県での例を見ると、例えば山梨県のあるスポーツイベントの推進では、県や市、旅行会社やスポーツクラブなどが連携し、様々な情報を活用しながら、地域活性化を積極的に進めるという取組を目にしました。  本県においても、スポーツツーリズムなどのスポーツの持つ力による地域活性化を推進していくことが求められており、その際には、企業やプロスポーツチームなど様々な団体等と連携を図りながら、幅広く意見を聞き、施策に生かしていくことが必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、本県のスポーツ施策を推進するに当たって、様々な団体と連携し、ニーズや考えを把握しながら取組を進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、関係人口の創出を通じた移住の促進についてです。  コロナ禍をきっかけとして、都会を離れて自然環境の豊かな環境の中で過ごすというライフスタイルが普及してきています。  私の住む愛川町においても、中津川でキャンプをしながらテレワークをするなど、これまでになかった新しい過ごし方や働き方が行われており、町として、このように緩やかに町に関わり、何度も足を運んでくれる人々に対して、川の保全など、何らかの町の活動にうまく関わってもらいたいと考えています。  〔資料提示〕  このように、何度も現地に足を運びながら、地元との関わりを深めていく、いわゆる関係人口は、国においても、その創出・拡大に向けた取組を進めており、本県においても、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置づけ、取組を進めているところであります。  多くの観光地を抱え、大都市に隣接し、働く場所としても魅力的な本県においては、関係人口は今後さらに増加していくものと考えられます。  この関係人口の増加の流れを、農畜産物の供給地であるものの、人口減少に伴い、担い手不足に悩む農村部にある市町村としては、人口減少を食い止め、地域を維持するために、うまく移住に結びつけたいと考えており、就農支援、農業体験や、地域の魅力のウェブ上でのPRなどを行っていますが、小規模な市町村レベルでは、対応に限界があります。  〔資料提示〕  県では、ちょこっと田舎・かながわライフ支援センターにおける移住相談を中心に、地域の魅力を生かしたライフスタイルの発信や、地域との交流機会の創出、県内の暮らしと仕事の情報提供を行っていることは承知をしています。  一方で、他県では、県が市町村を取りまとめ、移住の相談、仕事、空き家バンクなどの住宅情報などを幅広くワンストップで情報提供している事例もあり、本県においても、ウェブサイトで市町村の移住施策について発信していますが、市町村の取組への積極的な関わりを期待するところであります。  そこで、知事に伺います。  移住の促進に取り組む市町村を、県はさらに後押しをしていくべきと考えますが、広域自治体として、どのように支援していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、丹沢大山における登山者等による県民協働の取組についてです。  先月、8月11日の山の日に、丹沢大山登山者数初公表との新聞報道があり、記事によると、大山が最多の年間約13万人、次いで、塔ノ岳が約8万8,000人、続く、三ノ塔が約5万4,000人と、登山者数が初めて発表されました。  この登山者数の計測は、登山ブームを背景に深刻化している丹沢のオーバーユースの実態を把握するためのものとのことですが、こうしたデータを分析、活用することで、登山道のオーバーユース対策に役立てていただきたいと思っています。  さて、私は、2019年9月の第3回定例会において、丹沢大山自然再生における県民との協働について質問し、自然再生の取組を今後も推進していくために必要な担い手をどのように確保していくのか、所見を伺いました。  県からは、県内の学生を対象に、丹沢大山自然再生の活動報告会や、登山道管理の体験企画を実施して、新たな担い手の確保・育成に取り組むとの答弁を頂きました。  これらの取組は、残念ながら、コロナ禍の影響で、一部の実施にとどまっていると聞いていますが、非常に前向きな取組であると評価をしています。  そうした中、私は、今年、福岡県の株式会社ヤマップという登山用GPSアプリを開発、提供する会社を訪問いたしました。この会社は、自治体等と連携したプロジェクトを立ち上げ、様々なプログラムを展開しており、その中で、プログラムの参加者が福岡県の英彦山という、山頂が荒廃した山の森を再生させるための植樹を行っているとのことでした。  こうした事例を聞き、自然再生の取組には、世代や官民の立場を超えた幅広い人たちとの協働が重要であると、改めて感じたところです。  〔資料提示〕  県は、現在、第4期丹沢大山自然再生計画の策定を進めていると承知をしていますが、特に、登山利用に伴うオーバーユースの課題を抱える丹沢大山では、例えば、登山道を利用する登山者が、自ら登山道の維持管理や補修を行うなどの県民協働の取組を一層進めていく必要があると考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  県は、丹沢大山における登山者等による県民協働の取組をどのように進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持についてです。  私の地元、愛川町や清川村を流れる相模川の支流の一つである中津川は、かつて大きな巨岩が目を引く石小屋という景勝地を有し、その下流では石ころが転がり、河川敷の景観が目を引く景色がありました。  今では、宮ヶ瀬ダム建設により、水がめや下流域の安全を確保している役割を果たしていますが、河川の上下流の景観は大きく変化をしています。  夏には至るところで、子供が川遊びをする景色が見られ、そうした様子は年々変化し、私も変貌していく中津川の景観を見続けてきました。こうした景観の変化を今の子供たちは知らず、今後、地元では語り継いでいきたいと思っています。  最近では、コロナ禍におけるアウトドアレジャー人気の高まりや、圏央道の開通に伴う交通アクセスの向上などにより、県内外からキャンプやバーベキューを目的に多くの人々が訪れ、休日にもなると大変なにぎわいを見せています。  〔資料提示〕  このように、多くの人々に訪れていただくことは、地域の活性化につながる一方で、河川敷を利用する人の中には、ごみを不法に投棄する人もおり、また、冬季に、たき火が枯れ草に燃え移る火災が発生をするなど、地元としても、その対応に大変苦慮をしています。  こうした中、愛川町では、今年5月から8月にかけて、利用者に自分事として河川美化意識を高めてもらうために、田代運動公園近くの河川敷付近に環境美化協力金募金箱を試行的に設置したところ、多くの利用者から御協力をいただけたと聞いています。  また、河川敷でキャンプを行う利用者が、自主的に清掃の呼びかけを実践する動きも出てきており、私としても、大変ありがたく思うとともに、一過性のものではなく、持続的な取組に育ってほしいと願っています。  県においても、中津川における良好な河川環境を維持するため、河川敷の除草や美化清掃などに取り組んでいることは承知していますが、河川利用者による自主的な取組が始まっていることや、中津川での利用実態を踏まえると、様々な主体と連携して取り組んでいく必要があると考えています。  そこで、県土整備局長に伺います。  河川敷の除草や美化清掃など、中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間についてです。  私の地元、清川村は、村全体が丹沢大山国定公園及び神奈川県立自然公園に指定されており、緑豊かな自然、清らかな渓流、四季折々の美しい景観を楽しむことができる首都圏の身近なレジャースポットとなっています。  平成12年に宮ヶ瀬ダムが完成してからは、ダムの観光放流やナイト放流、日本最大級のジャンボクリスマスツリーなど、魅力あふれるイベントが数多く開催されており、テレビや雑誌などで紹介されることもあって、宮ヶ瀬湖周辺には、コロナ禍でも、昨年、約240万人もの観光客が訪れています。  また、平成27年に誕生した道の駅「清川」は、村の特産物や地場の野菜に人気があり、その訪問客数は年々増加を続け、今では村の主要な観光地になるまで成長をしました。  〔資料提示〕  一方、これら清川村の主要な観光地をつないでいる県道伊勢原津久井は、道路の幅員が狭い上に、カーブが急で見通しも悪いため、観光バスなどの大型車両の擦れ違いが難しい箇所があります。  また、歩道が未整備な区間もあり、歩行者が安心して通行できるよう、道路を整備することが求められています。  県は、こうした課題に対応するため、清川村煤ヶ谷の古在家地区において、新たなバイパスとして、古在家バイパスⅠ期区間の整備を進めていることは承知しており、私も、この道路の整備を常々、現地を見ている中で、工事が日々進捗していることを確認しているところであります。  その際、地域の方々から伺ったお話では、バイパスの整備により、生活道路となっている現道の交通量が減少することで、安心して歩けるようになるなど、静かな生活環境が確保されるといった、沿道住民の期待もあります。  これまで長らく工事が行われてきましたが、県は早期開通に向け、しっかりと工事を進めていく必要があります。  そこで、県土整備局長に伺います。  県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間のこれまでの取組状況と、今後の見通しについて伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、本県の教員の働き方改革の取組についてです。  前回の第2回定例会で、本県の教師不足の実態について質疑を行いましたが、この数年の本県の教師の志願者数などを見ると、全体的な低下の傾向が見られ、様々な理由が考えられますが、その一つとして、教員の働き方で、長時間勤務や柔軟な働き方がしにくいなどのイメージを持つようになったことなど、学校での働き方のイメージが志願者の減少につながっていることも考えられると感じています。  実際に、私にも教師の多くの知り合いがいますが、このまま続けられるだろうかといった悩みや、学校教育に興味がある方も、教師は忙しそうで、バランスが取れるだろうかといった声もあります。  こうした教師の確保や、将来にわたっての学校での職務に従事していただく点からも、学校の働き方改革に関係者が取り組むことや、そうした様子が将来教師を目指す方に伝われば、教師という職業が、働きがいがあり、家庭や地域活動、余暇活動とバランスが取れた職業として、志願者の増加にもつながると考えています。  先日、地元、愛川町教育委員会が開催した「学校現場でも実践できる、働き方改革の方法」の講演会に、私も参加しました。  学校の現場だけでなく、町民や学校関係者以外の希望者も全員が視聴できるようになっており、関係者が一丸となって取り組んでいく課題であると認識しているところであります。  県教育委員会においては、平成29年に、国の調査と同様の内容で、公立学校において教員の勤務実態調査を行い、令和元年に、神奈川の教員の働き方改革に関する指針を定め、ほかにも、令和2年11月には、県立高校において勤務時間を把握するシステムを導入していることは承知をしています。  こうした取組を広く共有し、教育委員会、学校の職場、地域それぞれが教員の働き方改革に対する様々な取組を不断に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、教育長に伺います。  これまで県教育委員会として、教員の働き方改革にどのように取り組んできたのか、そこでの課題も踏まえ、今後の教員の働き方改革にどのように取り組んでいくのか、教育長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 佐藤議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、2025年度に向けた介護人材確保の取組の一層の推進についてお尋ねがありました。  まず、介護人材の確保事業の見直しについてです。  少子高齢化が進む中、介護人材の確保は困難さが増しており、ニーズを的確に把握し、積極的に事業の見直しを行いながら実施していくことが重要です。  そのため、県では、介護に関する入門的研修について、受講者の増加につながるよう短時間のコースを新設して受講しやすくし、また、介護現場の実際の様子を研修の中で伝えるなど、受講者のニーズに応じた見直しを行ってきました。  また、他業種から介護分野への就職を目指す方への就職支援金貸付金の新設や、コロナ禍で失業した方などを、介護分野への就職につなげる支援事業などを新たに実施しています。  次に、介護の仕事の魅力を伝える取組についてです。  介護人材の裾野を広げるためには、若い世代を中心に、多くの人に、介護の仕事の魅力や、やりがいを知ってもらうことが必要です。  そこで、介護関係団体、県、市町村で運営する、かながわの介護・福祉のポータルサイトでは、介護現場で働く職員の日常の様子を動画で配信しています。この動画については、県教育委員会と連携し、福祉科のある県立高校に介護現場を知る教材として周知しました。  また、大学生に向けては、介護分野の就職セミナーなどの情報を学生向けのサイトや、県のツイッターを活用して発信しています。  さらに、若い世代への効果的な広報について、学生や若手介護職員から意見を伺い、かながわ感動介護大賞の感動エピソードを、今年度から新たに県のインスタグラムで発信していくことにしました。  また、11月11日の介護の日に合わせて、今年度初めて介護現場で働く魅力を伝える動画を作成し、これを電車内のトレインビジョンで発信します。  今後、社会情勢等を捉えながら、事業の見直しを不断に行い、介護の仕事の魅力が届くよう取組を進め、着実に介護人材の確保を図ってまいります。  次に、本県における今後のスポーツ施策の推進についてお尋ねがありました。  コロナ禍という大きな制約の中で開催された東京2020大会では、全力で競技に挑む選手の姿に多くの人々が感動し、改めて、スポーツが人の心を動かし、社会の活性化に大きな力を持っていることが確認されました。  これを受けて、企業では、競技団体や地域などとスポーツを通じたパートナーシップを構築し、事業展開を図ろうとする動きが出ています。  そして、大会後に策定された国の第3期スポーツ基本計画では、スポーツによる地方創生を促進していくには、多様な主体が連携・協力して取り組むことが不可欠であるといった視点が示されています。  本県でも、今年度からスポーツを核としたスポーツツーリズムの取組を進める中で、市町村や企業、スポーツ団体等から、お互いのニーズを把握し、連携する場が欲しいという声を頂きました。  また、モニターツアーの参加者からは、複数の異業種が連携して作成したプログラムに対し、非常に興味深い内容だったなど、大変好意的な意見が寄せられました。  そこで、県では今後、スポーツ施策の推進に当たり、これまでの個別の連携協定などの取組に加え、県が中心となって、市町村や企業をはじめ、県内に多く存在するプロスポーツチームや、競技団体などが連携する場づくりを検討していきます。  そして、お互いのニーズや意見を共有しながら、それぞれの強みを生かした新たな取組を創出して、スポーツを通じた地域活性化などにつなげていきたいと考えています。  県では今後、こうした様々な主体との連携により、スポーツの持つ力を最大限に活用した施策の推進に努めてまいります。  最後に、関係人口の創出を通じた移住の促進についてお尋ねがありました。  都心から人を呼び込むためには、地域の魅力を知ってもらい、希望する地域に何度も足を運んでもらうことで、関係人口を創出し、移住につなげることが重要です。  そこで、県では、地域での暮らしに関心を持っていただくため、各地域での生活のイメージを、かながわライフとして紹介するPR動画を作成し、都心の働く世代に向けて発信してきました。  加えて、趣味や仕事に合わせ、何度も足を運んでもらえるよう、各地域で催されている農業体験や伝統行事などのイベントと併せて、テレワーク拠点などの紹介を行ってきました。  その上で、移住に関心を持たれた方には、都内に設置している「ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター」で、市町村と連携した移住相談や、リモートによる移住セミナーなどを実施してきました。  こうした移住相談などに関し、市町村からは、移住希望者の目線に立った応対の方法等を学びたいという要望があり、県は、センターの移住相談員を希望する市町村に派遣し、アドバイスを行っています。  また、市町村からは、関係人口の創出や移住促進の取組をさらに進めるため、地域に関わってみたい、住みたいという気持ちになるPR動画は、どのように作成すればよいのか、お試し居住など、空き家の利活用はどのようにすればよいのかとの相談が寄せられるようになりました。  そこで、県は、本年度から、専門的な知識や経験を有する民間の人材を派遣することで、市町村の課題の解決に向け、支援を行うこととしました。  派遣に当たっては、PR動画作成や空き家の利活用などのテーマに応じ、最適な民間人材を市町村に派遣することで、具体的に課題を解決し、そこから得られたノウハウについては、他の市町村に横展開を図っていきます。  こうした取組により、市町村の抱える課題の解決に向け、しっかりと後押しすることで、関係人口の創出や移住促進を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  丹沢大山における登山者等による県民協働の取組についてお尋ねがありました。  県が本年5月に公表した登山者数調査に見られるように、丹沢大山には多くの登山者が訪れていますが、利用が多い登山道沿いでは、踏みつけによる植物や道の損傷などが懸念されています。  こうしたオーバーユースによる登山道の荒廃を防ぐため、県は、登山者をはじめとする県民との協働により、登山道を守る取組を行ってきました。  具体的には、県が管理する登山道において、自然公園指導員として委嘱されている多くの登山者が、ボランティアで巡視や危険箇所の情報収集などを行い、適切な維持管理につなげています。  さらに、自然公園指導員の有志が、登山道の巡視などを行う県の専門職員と一緒に、軽易な補修や倒木の処理を行うとともに、県と協定を結んだ山岳会などの団体が継続的な補修等の活動を実施しています。  しかし、近年、高齢化により活動の継続が難しくなったり、参加団体の裾野が広がらないなどの状況が見られ、県民協働による登山道の管理を継続していくためには、若い人材や新たな活動団体の参入を促していくことが必要となっています。  そこで、現在は規模の大きな団体が行っている補修等の活動に、規模の小さい団体でも参加できる仕組みを検討し、活動の裾野を広げていきたいと考えています。  また、コロナ禍で実施できていない県内の高校山岳部を対象にした登山道補修等の体験活動について、感染状況を見極めながら、実施に向けた検討、調整を進めます。  こうした取組により、登山者を中心とした持続的な県民協働による登山道の管理を推進し、丹沢大山の自然再生につなげてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持についてお尋ねがありました。  中津川は、首都圏の中でも豊かな自然が多く残されており、その広大なエリアの良好な環境を維持していくためには、県だけでなく、様々な主体と連携して取組を進めることが有効です。  県では、継続的に河川の除草や美化清掃を行うとともに、令和元年度からは、ドローンを活用し、不法投棄を発見するスカイパトロールを行っており、地元市町と情報共有し、ごみの回収につなげています。  また、地域と連携した取組として、除草や美化清掃を地元自治会等に委託する制度を設けており、地域に親しまれている中津川では、近年、関心を持つ団体が増え、現在、10団体に御参加いただいています。  こうした取組により、一定の成果を上げてきましたが、中津川を引き続き良好に管理していくためには、地域の方々だけでなく、遠方から訪れる方々にも、環境への意識を持っていただき、自主的な清掃やごみの持ち帰りといった美化活動への積極的な参加を呼びかけていく必要があります。  そこで、県内外からの河川利用者に向けて、河川の利用が多い箇所に美化活動を紹介する看板を新たに設置するとともに、近傍にある高速道路のパーキングエリアなどで、デジタルサイネージによる広報を行います。  また、昨年度から始めたツイッターによるお知らせに加え、新たに、今年3月に開設されたLINE公式アカウント「かながわプラごみゼロ情報」を通じ、清掃に取り組む団体の活動を紹介し、美化活動への自主的な参加につなげていきます。  こうした取組を継続的に行い、様々な多くの主体と連携して、貴重な地域資源である中津川の河川環境の維持に努めてまいります。  次に、県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間についてお尋ねがありました。  県道伊勢原津久井は、伊勢原市を起点とし、清川村の中心部を通って相模原市緑区へ至る路線で、地域の生活や宮ヶ瀬湖の周辺観光などに重要な役割を担っています。  このうち、清川村中心部の村役場北側に位置する古在家地区では、住宅が建ち並んでおり、道路幅員が狭く、歩道もないことから、車両や歩行者の安全な通行の確保が課題となっていました。  そこで、県は、古在家地区の通行の円滑化や安全性の向上を図り、災害時の代替路を確保するため、新たなバイパス道路を計画し、このうち、平成17年度に第Ⅰ期区間、延長約0.8キロメートルの事業に着手しました。  地元への事業説明や、地権者から貴重な土地をお譲りいただくに当たっては、村の積極的な御協力を得ながら、精力的に事業を進め、これまでに、沢をまたぐ三つの橋梁なども完成し、あと僅かな工事を残すのみとなりました。  第Ⅰ期区間が完成すれば、観光を目的とする車両の多くはバイパスを通行することになりますので、現在の道路は、生活に密着した車の利用が中心となり、この地域の交通の安全性は格段に向上します。  今後、第Ⅰ期区間が現道に接続する交差点の改良工事や、照明灯の設置、舗装などの工事を同時並行で進めていくことになりますが、綿密な調整を図りながら、円滑に工事を進め、令和4年度内の第Ⅰ期区間の供用を目指します。  このように、県は、地域の安全・安心や観光振興にも大きく貢献する古在家バイパスⅠ期区間の整備をしっかりと進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係についてお答えします。  本県の教員の働き方改革の取組についてです。  県教育委員会では、平成29年に実施した勤務実態調査の結果等を踏まえ、教員の働き方改革に関する指針を作成し、教員の多忙化の解消に取り組んでいます。  具体的には、業務アシスタントやスクール・サポート・スタッフの配置、スクールカウンセラーの拡充など、教員の業務負担を軽減するため、外部人材を積極的に活用してきました。  また、県立学校に勤務時間管理システムを導入し、教員の勤務状況を正確に把握するとともに、業務削減に向けた好事例集を配付するなど、学校現場の意識改革に努めてきました。  さらに、今年度からは、ICTを活用した教育活動をこれまで以上に支援するため、ヘルプデスク等の機能を担うGIGAスクール運営支援センターを開設しました。  一方、コロナ禍において、新たな業務が発生するなど、教員の多忙化の解消は道半ばです。そこで、県教育委員会では、今年度、国が実施する勤務実態調査と併せて、県独自で、持ち帰り業務の有無等も含め、改めて調査を実施します。  県教育委員会では、これらの調査結果や、これまでの取組の検証を踏まえ、より効果的な施策を検討するなど、引き続き、教員の働き方改革の実現にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。  〔佐藤けいすけ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 佐藤けいすけさん。  〔佐藤けいすけ議員登壇〕 ◆佐藤けいすけ議員 知事、環境農政局長県土整備局長、教育長、御答弁いただきました。ありがとうございます。  それでは、時間の許す限り意見を申し上げたいと思います。  初めに、2025年度に向けた介護人材確保の取組の一層の推進についてです。  知事から、今後の新たな取組も含めまして、介護人材確保のアピールに向けた様々な工夫を御答弁いただきました。  ポータルサイトのリニューアルのお話もありましたけれども、こうした分析がしっかり対策につながっているのかと、そういうような声も地元で伺っています。こうした対応をぜひお願いしたいです。  また、ほかに県は、福祉事業所の表彰の制度をやっていると思いますが、例えばSNSをうまく活用して職員の利用につなげている事業所、これを表彰の対象にするとか、そういった事業所のやり方を共有してもらうとか、そういうような場をつくる、そういうことも考えられるのではないかというふうに思います。  人材確保については、どこの業界でも厳しいというふうに思いますけれども、この介護分野、特に県では1万6,000人が不足と明確に言っているわけですので、ぜひ、あらゆる取組をお願いしたいと思います。  次に、本県における今後のスポーツ施策の推進についてです。  繰り返しになりますけれども、大きなスポーツイベントが一段落をするタイミングです。ここで、今後のスポーツ施策を幅広く見直す必要があるというふうに思っております。  スポーツの持つ力というのは、多方面に本当にたくさん可能性があると思いますけれども、知事からもお話がありました、県の中でハブとしての役割というのを私は期待したいと思います。  今回、国が計画を様々な方面に示したということがありましたけれども、県としても、これまでの取組に加えまして、固定概念というのを払って、今まで県が取り組んでいなかったような分野、こちらにも、企業や団体と連携をしてチャレンジをしていただきたいというふうに思います。  続いて、関係人口の創出を通じた移住の促進についてです。  今回、新たな空き家の取組に取り組まれるということで、今年度から民間人材派遣を市町村のほうにすると、そのような御答弁があったと思います。この点は、移住につなげるという点で評価できる点だと思います。よろしくお願いをしたいと思います。  また、移住という点で言いますと、現在は主に東京圏からの移住という点に焦点を絞っていられるかと思うのですけれども、今、全国もいろいろな状況で、地方から東京の都心に移住を考えている方というのがいらっしゃると思います。都市部から少し離れた、少し自然があるところ、そういうところを選ぶという点で神奈川県を選ぶ、そういう視点もあると思いますし、東京にこだわらない視点というのは、これからも必要になってくるのではないかなというふうに思います。  また、関係人口の創出という点で、これは移住促進という目標達成だけでなく、県内において、例えば、同じ県内で移住地から繰り返し訪れていただくというようなことを重視していただく、こういうことも、定義を幅広く取っていただくということも、県としてできる必要があるのではないかというふうに思っています。  最終的に移住の促進につながれば、それにこしたことはないというふうに思いますけれども、今後の関係人口の創出に向けた取組として、県としても考えていただくことを求めたいというふうに思います。  続いて、丹沢大山における登山者等による県民協働の取組についてでです。  御答弁の中では、局長のほうからも、登山道整備は、これまで行っている団体に加えまして、規模の小さな団体にも今後は声をかけていくと、そういうことを検討しているというふうにお話がありました。  また、今回明らかになりました丹沢の登山者数というのは、今後、分析を待ちますけれども、今回こういった調査結果が出たことは、県民の関心を引くチャンスではないかというふうに思っています。こうした結果を県民協働にもしっかりとつなげていただくことが重要だというふうに思います。  また、現在、県民協働とは言いますけれども、神奈川県というのは、東京の都心からの登山者というのも非常に多くいらっしゃると思います。県民にかかわらず、潜在的な整備に興味を持っている方というのがいらっしゃるのではないかと思いますので、こういった、現在の整備の方の不足の解消という点では有効であると思いますので、今後、検討を行っていただきたいというふうに思います。  続いて、中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持について申し上げます。  質問では、あまり触れなかったのですが、樹林化の問題というのがあるかなというふうに思います。その中で、県にも様々な対策を、工事というのをしていただいているのは、私も承知をしています。  しかし、予算措置が必要な工事というのは、毎年できる量が限られてしまうというふうに思っていまして、再び戻ってしまうようなところというのも、課題でも感じられていると思います。こういった点で、さらなる工夫というのが必要なのではないかなと思います。  例えば、国の制度や呼びかけの事例で見ますと、地元団体と協働して、河川空間の利用というのを促していくということで、樹林化を止めたり遅らせたりする取組というのは、国の出先機関が岡山県などで実施して効果を上げている河川もあると伺っています。  こういった様々な主体を巻き込みながら、樹林化をより抑制する策というのを、県には考えていただきたいというふうに思います。これは中津川に限りませんけれども、よろしくお願いをいたします。  次に、県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間についてです。  こちらも県土整備局長に御答弁を頂きました。  今年度中の完成に向けて、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。  また、今回この質問を調べているさなか、県のホームページで、今後3年以内に供用が見込まれる主な路線というページがあったのですが、ここに古在家バイパスのⅠ期区間というのが入っておりませんでした。何か御事情があるのかもしれないのですけれども、載せていただくことを求めたいと思います。  また、周辺の道路状況を見ていきますと、今後も、伊勢原大山インターの開通とか厚木秦野道路の開通といった道路需要の変化というのがあると思いますので、もし開通した際は、その道路の整備効果など、把握できるのであれば公開をしていただきたいというふうに思います。  また、古在家バイパスの完成によって変化が起きてくると思いますが、交通事情が変わってくれば、前後の沿道の道路でも、事故、交通安全の対策とか出てくると思います。こうした課題もありますので、今後も沿道や村とも協議をしながら取り組んでいただきたいというふうに思います。  それでは、時間になりましたので、ここで私の質問を終わります。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(曽我部久美子) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(曽我部久美子) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、9月20日午前10時30分に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでございました。                  午後4時46分 散会...